ホンダ・バモス オーバーヒート修理 その4

シリンダーヘッドを下ろす際の順番

 

 

オーバーヒートの原因であるシリンダーヘッドガスケットの交換のためにシリンダーヘッドを下ろすわけですが、自分の場合の順番は以下の通りです。

  1. 排気系統(エキゾーストマニホールド)の分解
  2. 吸気系統・電装系統(インレットマニホールド)の分解
  3. タペットカバー取り外し
  4. タイミングベルト・ウォーターポンプの分解
  5. シリンダヘッドを下ろす




タイミングベルト・ウォーターポンプの取り外し

シリンダヘッドを降ろすので、タイミングベルトを取り外す際には、合いマークなどを気にする必要はありませんが、きちんと合わせておいた方が後々ラクなので、きちんと合わせてから外したほうがいいです。カムシャフト・スプロケットの合いマークの確認がかなり面倒なので、ケータイ、もしくはスマートフォンのカメラを用意しておいた方がいいです。また、左側のエンジンマウントとブラケットを外さないと作業スペースが確保できないので、エンジン本体を宙づりにするか、エンジンを下側からジャッキで支えるなどのの工夫が必要になります。今回は写真を撮り忘れたんで、詳しくはわかりづらいかもしれませんが、今回は車載のパンタジャッキに当て物をかませて上下させながらエンジンを支えるという手段をとっています。

ファンベルト・エアコンベルトを取り外す

写真の手前2枚のカバーを外すと、オルタネーターとエアコン・コンプレッサーにかかっている2本のベルトが確認できるので、さっさと取り外しましょう。なお、手前のエンジンオイルレベルゲージは、外した方が作業がやりやすいのでいいのですが、エンジンオイルがもれてくるので注意してください。

クランクプーリーボルトをゆるめる

専用の特殊工具をつかって回り止めをして、スピンナーハンドルなどでクランクプーリーボルトを緩めます。ちなみにこのエンジンの回転方向は左回転ですが右ネジです。くれぐれもへし折らないように気をつけて下さい。ハッキリ言ってとても固いです。どうしても緩まない時はインパクトレンチでも構いませんが、なるべくハンドパワーで緩めるようにしましょう。(エンジン整備の基本ですよ)

タイミングベルトカバーを取り外す

クランクプーリーを外したらタイミングベルトカバーを外していきます。途中、エンジンマウントブラケットを外すのですが、このブラケットに、TDCセンサーが取り付けられているのでできるだけ外さずに破損に注意してください。今回はエンジンを支えている車載ジャッキでエンジン本体の位置を少し上下させつつ、慎重に作業します。

茶色の部分がエンジンマウントブラケット

タイミングベルトとご対面

合いマークを確認してあわせる

クランクシャフトはスプロケットの三角マークとエンジンブロックの矢印マーク。カムシャフトはスプロケットに刻印された「up」のマークを、シリンダヘッドに対して直角上部に位置したとき、スプロケット内周の内側に互い違いに向いている三角の突起が、シリンダヘッドの側面部分のラインをきっちりと指し示していることを確認しましょう。これはエンジンを正面から見て確認しないと正確にできません。なので、適当なサイズのミラーをあてがうか、携帯電話、もしくはスマートフォンの超高性能カメラで正面から撮影するとうまくいきます。あまりに何十枚も撮影すると、メモリーを消費してしまうので、正確には撮影モードにして写しながら確認するといったところでしょうか。

クランクシャフト合いマーク

カムシャフト合いマーク

合いマークを合わせたらテンショナーのボルトを緩めて、テンショナーを上部に押し上げ、タイミングベルトを外しましょう。

また、ウォーターポンプはこの状態で、4つのボルトで留まっているだけなので、そのまま緩めて外します。(写真左下)

シリンダヘッドを取り外す

 

ヘッドボルトをゆるめる

タイミングベルト・ウォーターポンプを外したら、そのままシリンダヘッドを取り外します。カムシャフト・スプロケットやロッカーシャフトを外す必要はありません。シリンダーヘッド周辺にホース類などの外し忘れが無いことを確認したら、ためらうことなくいきなりヘッドボルトを緩めます。ただし、ヘッドボルトは緩める順番があるので、それだけ守ってくれれば、作業はきっとうまくいくと思います。失敗したらどうしようとかそんなの関係ないです。ボルトを緩めて取り外す。ただそれだけのことですから。

緩めたらシリンダヘッドを手で持ち上げて起こして外します。当たり前ですがとても重いです。しかし、このクルマのエンジンは三気筒なので、ヘッドの中では軽い方です。なんで、できるだけ一人で持ち上げられるはずです。クルマの下に潜って下から攻めてもきっとうまく行くでしょう。今回は上から攻めようということで、なんてことは無いのですが、いきなり一気に持ち上げて外しました。万が一重さに耐えきれず落としてしまうことを考えて、できることなら、下にマットなどを敷いておくのもひとつの手かもしれません。下から攻める方法もありますが、今回はリフトではなく、ジャッキとリジットラックでリフトアップしているので、自分に落ちてきて大けがする危険性を考えて、上から攻める作戦を考える方が妥当だと思い実行した次第です。

簡単な作業のように思えるかもしれませんが、いずれにせよ、安全性を十分の考慮して、なおかつ作業する自分の腕力や体力とクルマの作業環境や使える機材などを十分に吟味してから作業するべきだと思います。ここで失敗したら、あまりにも悲しすぎます。ですので、この作業がこの修理のひとつの山場だと思って作業しました。

シリンダーヘッドガスケットの状態を確認する

ヘッドを降ろしたので、早速ガスケットを確認しました。写真のように燃焼室とその周囲に位置するウォーターライン部分の当たり面を確認すると、やはり抜けたあとがあります。(写真参照)

 

よく見てみるとかなりあちらこちらの部分に抜けたあとを確認することができました。しかし、エンジン本体や、シリンダヘッドそのものの損傷具合は、見た目にはあまり酷い感じではなさそうでした。なのでこのままヘッドガスケットを交換するだけでいいようです。

つづく。




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