バモスエアコン異音修理

バモスエアコン異音修理

  • 平成17年式:ホンダ・バモス
  • 型式:HM1
  • エンジン型式:E07Z
  • 走行距離:150,000km

目次

  1. 助手席下側からの異音

助手席下側からの異音

エアコン系統の点検

エアコンをONにして走行し続けると、室内助手席下側のエパボレータが格納されているボックス当たりから「ジー」という連続音がする。しかもその音は時々、アクセルペダルに連動して、エンジン回転数と完全に同期している。エアコンスイッチをOFFにすると、その音が止まるので、エアコン配管関係だと判断した。

異音元である助手席下側には、エパボレーターとエアコンの高圧配管と低圧配管、そして、エキスパンションバルブが配置されている。「ジー」という何か細かい箇所からの連続した音なので、エアコンガスが漏れているのかとも思えたが、エアコンの冷え自体はそんなに悪くないし、異音がするようになってからある程度時間がたっているのだが、エアコンの不具合が症状として表れるようなことはない。

このクルマは走行距離は15万kmを超えており、年式は、平成17年式である。かなり古いクルマであるが、その間にエアコンの修理を行った履歴はないようである。この「ジー」という非常に狭い場所から、何らかの気体が漏れているような音がするとすれば、エアコン関係で考えられるのは、高温高圧状態になった冷媒ガスをエパボレーターに放出させる機能を担っているエキスパンションバルブであろう。

カーエアコンの基礎を見直す

しかし、エアコン自体は正常に作動している。エキスパンションバルブやエパボレータ回りの分解整備となると、修理コストがかかり、時間的にもかなりの負担が掛かってしまう。しかも異音の原因が必ずしもエキスパンションバルブとは限らない…。

そもそもの異音の原因を考えてみる。なぜエキスパンションバルブから異音がしているということが原因であると予測したかというと、クルマの走行距離と年式から、エアコンコンプレッサと配管内のエアコンオイルが不足してきていることにより、配管システム内にあるエアコンコンプレッサ及び各パーツ類の潤滑がうまくいっていないことが予測されたからである。配管システムを構成するパーツの内、細かいバルブの役割を果たすのは、エキスパンションバルブである。このバルブが、エアコンオイル不足により内部の冷媒通路にあるバルブの動きの潤滑を妨げて、音を発生させていたのではないか。ということである。

以上のトラブルシューティングにより、本来ならばエキスパンションバルブ交換、エパボレータ清掃もしくは交換などの作業を中心にエアコンシステム全体の点検修理を行うところだったが、諸般の都合(エアコンが効いていることと、予算の都合)により、エアコンオイルを追加注入して様子を見ることで、異音修理とすることにした。

エアコンオイル補充

エアコンオイルはR134a専用を使用する。

水色の丸枠の部分がサービスバルブである。Hが高圧、Lが低圧となる。

エンジンルームを開けて、エアコン配管の低圧側のサービスバルブを確認する。クルマのリアハッチからエンジンルームに向かって左上側に高圧配管と低圧配管のサービスバルブが確認できる。

必ず低圧側のサービスバルブに接続する。

写真のような簡易エアコンガスチャージ器を用いる。マニホールドゲージでももちろんできるが、今回はエアコンオイルのみなので、これで手早く作業を行う。手順は次の通り。

  1. クルマのエンジンは止めた状態で行う。
  2. サービス缶バルブは全開のまま、エアコンオイルの缶を締め込んで取り付ける。(このとき缶は開けないこと)
  3. クルマのエアコン配管の低圧ポートに、簡易ガスチャージ器のカプラを取り付ける。
  4. エアコンオイルの缶本体を約1秒間だけ緩めて再び締める。このとき、シュッと空気を排出させて、簡易ガスチャージ器ホース内のエア抜きを行う。
  5. エンジンをスタートさせ、エアコンをON、温度と風量を最大にして内気循環にする。
  6. 簡易ガスチャージ器のサービス缶バルブを締め込んで、エアコンオイル缶に穴を開けて、エアコンオイルを注入する。
  7. すべて注入したら、簡易チャージ器はそのままの状態でエンジンをストップさせる。
  8. 簡易ガスチャージ器を取り外す。
  9. 5のときに、ゲージの指針を読み取り、必要に応じてエアコンガス(R134a)を補充する。(過充填に注意)

テスト走行

とりあえず通常通りにエアコンを使いながら、試運転を行ったが、現在のところ異音は発生していない。エアコンオイル充填の時点からぴったりと止まってしまっているようである。

これでエアコンの異音に関しての修理は完了であるが、後にマニホールドゲージにてエアコンガスの圧力を計測したところ、高圧、低圧共に気温約30度で適正値よりもやや高い値を示していた。サービスマニュアルがないのでなんとも言えないが、やはりエキスパンションバルブが劣化してきているものと診断することができるだろう。エアコンの冷え自体も、それこそ新車の状態から比べると、必ずしもよいとは言えないので、明らかに不具合が出たときのエアコン故障診断における第1番目の判断材料となることだろう。

とりあえず今回は、簡易的なエアコン修理の例として、参考にされたい。

エアコンオイルの役割と重要性

エアコンオイルは、エアコンシステムの中で、低圧冷媒ガスを圧縮し、高圧冷媒ガスにしてコンデンサに送る役割を果たすコンプレッサの潤滑のためだけで無く。配管全体を密封して冷媒ガスの漏れを防ぐ役目も担っている。

また、コンプレッサにより送られた高温・高圧で気体状態の冷媒は、コンデンサとコンデンサファンで冷やされることにより、液体へと変化して、リキッドタンクに貯蔵され、この中のフィルタでゴミや不純物などを取り除かれ、エキスパンションバルブへと圧送されるのだが、このときも冷媒は高温・高圧で気体ではなく、液体の状態である。

エアコンシステムの基本

先の修理事例の通り、エアコンオイルは配管内へ直接注入される。つまり、エキスパンションバルブへ冷媒が圧送されるときも冷媒は液体の状態であり、なおかつ、エアコンオイルが混ざっている。エキスパンションバルブはこの高温・高圧・液体の冷媒を急激に気体へと変換する役割を果たすのに、エアコンオイルによる潤滑と密閉の作用は不可欠である。

エキスパンションバルブの形状は、クルマのメーカーによってまちまちであるが、いずれにせよ、このエアコン冷却の重要な課程において、エアコンオイルは、コンプレッサーと並び重要な役割を果たしている。

クルマの経年劣化により、このエアコンオイルも消費されることにより、その量が減ったり、潤滑や密閉機能を果たしにくくなるので、メーカーの規定等により、定期的に交換するのが望ましい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です