ダイハツ・アトレー タイミングベルト取り付け後の惨事

平成11年式ダイハツ・アトレー 型式:S220V  エンジン型式:EF 走行距離:93,500km

クランクシャフト破損

チャージランプが点灯して入庫した車両である。その車両を移動しようとして運転したところ、ハンドルが重い。パワーステアリングも効いていないようだ。ファンベルトも切れたのだろうと思ったが、この車両は、半年前に車検整備したばかりである。

運転席側からエンジンルームを覗くと、ファンベルトやクーラーベルトがかなり緩んでいた。リフトアップして下側から覗くと、クランクプーリボルトが半分くらい抜けており、クランクプーリは斜めに傾いて付いている状態だった。クランクプーリーを外して見ると、内径部分が大きくえぐり取られていて、クランクキーは先の部分が折れていた。

上側は折れていたクランクキーで先の薄くなっている部分にクランクプーリーがかかっているため、クランクボルトが緩むと、すぐに折れてしまう。

タイミングベルト、クランクギアを外しクランクシャフト先端を見ると、見た目にもすり減っており、触った感じも段つきができているようだ。ここで、知人から中古のクランクプーリを譲り受け取り付けてみると、やはり少しガタがあった。



クランクシャフトは交換せずに修理

クランクシャフト交換となる多額の費用が発生し、かなりの負担になる。ユーザーとの話し合いの結果、クランクシャフトの段つきは金属パテで修正し、クランクボルトにロック対を塗って締め付けた。この部分は二度と分解しないことを前提とした作戦である。そのためウォーターポンプなどの消耗品も全て取り替えた。

合いマークは合っているが…。

タイミングベルト交換後、クランクギア、カムギアの合いマークを合わせるためにクランクシャフトを回転させる。合いマークはあっている。タイミングベルトの張りを調整したあと、念のためもう一度クランクシャフトを回し、合いマークを合わせようとした。

すると、ある一定の場所で引っかかるような感じがして、ついには回転しなくなった。(バルブの干渉か?、作業ミス?)

しかし、クランクとカムシャフトの合いマークはあっている。カムシャフトを外しバルブを確認するも正常である。オイルポンプも確認したが破損はない。ATコンバーターの取り付けボルトも緩んでおらず正常であった。

圧縮上死点の時にクランクが回転しない

クランクシャフトが疑わしいので、オイルパンを外し確認すると、3番ピストンが圧縮上死点の時、クランクシャフトが回転しなくなることが分かった。さらに子メタルを外しても、クランクシャフトが、コンロッドに接触し引っかかるような感じで回転する。クランクシャフトの変形だろうか?、ピストンが上がり切れていないのか?、と悩んでいたところへ、知人が訪ねてきた。なんと彼も、全く同じ症状の修理を手がけているという。

原因はカーボン

知人の場合はシリンダヘッドを外して、組み直すと、症状が治ってしまったと言う。彼の作業内容と自分たちの作業内容から推測すると、シリンダ内部及びピストン上部に付着したカーボンが原因ではないかと言うことになった。

何ら名の拍子にカーボンが剥がれ落ち、エンジンが傾いた状態で車両に取り付けられているため、一カ所に溜まったしまったと考えられる。知人と同じ要領でシリンダヘッドを外して確認したいのだが、これ以上部品の出費は抑えたいところである。

明朝、3番のプラグホールからシリンダ内部をエアで吹き飛ばしたのだが、思ったよりも少量のカーボンしか出てこなかった。しかし、この状態でクランクシャフトを回転させると、昨日までのクランクシャフトの引っかかりがウソのようにスムーズに回転している。だが、何度か回転させている内に今度は1番が圧縮上死点の時、症状が出た。なので、1番シリンダ内部もエアで吹き飛ばして、ついでに2番も同様の作業を行ったところ、症状は完全になくなった。やはりカーボンが原因であったと確信した。

同じ型のシリンダヘッドを確認すると、矢印出示す○部分(ピストン圧縮上死点時のシリンダヘッド間の隙間)にカーボンが溜まったいたと思われる。

クランクシャフトのわずかながたつきがピストンの挙動に影響を与えた結果。燃焼室内にカーボンが少しずつ溜まるようになったことが原因のようだ。

知人から中古のクランクシャフトを譲り受け、組み付けて修理完了とした。

右側が対策部品だと思われるクランクボルトである。ワッシャー部分の厚みが明らかに違う。

結果的にクランクシャフトの交換という大作業となってしまったが、今回の件でタイミングベルトの交換時には、クランクボルト及びクランクキーは、値段的にも安価な部品であるので同時交換しておいた方がいいと思った。



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