ホンダ・フィットエアコン修理

ホンダ・フィットエアコン修理

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  • 平成21年式:ホンダ・フィット
  • 型式:DBA-GE6
  • エンジン型式:L13A
  • 走行距離:210,000km

目次

  1. 走行中にエアコンが効かなくなる
  2. エアコンリレーの不具合
  3. 走行中の熱がマグネットクラッチに与える影響
  4. マグネットクラッチのギャップ
  5. 中古コンプレッサを活用して修理する

走行中にエアコンが効かなくなる

冷間時からのエンジン始動時は、マグネットスイッチとコンデンサーファンがONになり、エアコンが効くようになる。その状態からの効き具合は安定している。しかし、その時点からの長距離走行後のアイドリング時点のタイミングで、マグネットスイッチがONしなくなり、コンプレッサーが回転せずにエアコンが冷却しなくなる。(コンデンサファンは正常に作動する。)

その状態から、エンジンキーをOFFにして、直ぐにエンジンをかけ直したり、しばらく放置してエンジンを冷却して、再びエンジンをかけ直すと、マグネットスイッチはONになり、エアコンが効き始めるといった症状を繰り返していた。

エアコンリレーの不具合
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写真中央のリレーボックスに3つあるリレーの内最も上の位置に横向きに配置されているのが、マグネットクラッチリレーである。

マグネットスイッチが正常に作動しない原因の1つとして、最初に疑われるのは、エアコンリレーの不具合である。エンジンルーム前方左側のウォッシャータンク吸水口の下側にリレーボックスがあるので、その写真の位置に3つあるマグネットクラッチリレーを新品に交換してしばらく様子を見てみる。たいていの場合はこれで修理できるようだが、今回はうまくいかなかった。(リレーの純正番号は下の写真参照)

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走行中の熱がマグネットクラッチに与える影響

今回の不具合は、長距離走行や長時間のアイドリングによりマグネットクラッチが高熱になり、その熱の影響でONしなくなったものと考えられる。走行中にマグネットクラッチに発生する熱は、マグネットクラッチ内の電磁コイルに何らかの負荷が掛かることによるものであるようだ。

一般的に、エアコンは、エアコン配管に設けられた圧力センサの信号とECUの制御により、マグネットクラッチリレーのON・OFFを制御している。このスイッチングのタイミングが頻繁になったり、長距離走行でマグネットクラッチ内部の電磁クラッチが熱を持つことにより、電磁石(ソレノイド)の吸引力が低下して、クラッチそのものを吸引できなくなってしまっているのではないだろうか。??

しかし、点検する限り、電磁コイルには電気信号が来ていて、配線も問題なく、エンジンが冷えるとクラッチは問題なく作動することから、電磁コイルそのものの不具合ではなさそうだ。

参考リンク:https://www.takaha.co.jp/technological/suck.html

マグネットクラッチのエアギャップ

今回の不具合のもう1つの原因として、マグネットクラッチのエアギャップ(ファンベルトプーリーとのすき間)が経年劣化により、広がりすぎているということが考えられる。

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クルマをジャッキアップして、アンダーカバーを取り外すと、エアコンコンプレッサ・マグネットクラッチのエアギャップをシックネスゲージで測定することができる。このときの測定値は約0.8mmであり、目に見えて広がっているのが確認できた。

中古コンプレッサを活用して修理する

原因はコンプレッサのマグネットクラッチであると特定したのだが、修理予算はなるべく抑えたいところである。そこで、本来は新品のマグネットクラッチでもリビルドのコンプレッサでもなく、なるべく距離を走っていない中古のコンプレッサを格安で購入して、そのマグネットクラッチを活用することにした。

こちらから購入しました:https://www.rakuten.ne.jp/gold/e-cle/

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しかし、購入した中古コンプレッサー・マグネットクラッチのエアギャップを測定すると0.6mmであった。なんとも微妙である。このままマグネットクラッチだけ交換してもあまり意味は無いかもしれない。この0.2mmの差をどうしようかと考えながら、コンプレッサーからマグネットクラッチを分解していたら、なんと、コンプレッサーの回転シャフトにギャップを調整するものと思われるシムが取り付けられているではないか。

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シャフトの中央にシムが取り付けられている。

これはワッシャーなのかどうか迷ったが、強度的にもワッシャーにしては薄さが微妙で、小さくてよく見えないが、表面に文字が印字してある。とりあえずワッシャーではなさそうだ。これを抜いて組み付ければ、エアギャップを小さくすることができるかもしれない。

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同じシムが、交換前のマグネットクラッチにも取り付けられていたので、ファンベルトはそのまま取り外さない状態で、コンプレッサーを取り付けたまま、マグネットクラッチセンター部にあるワッシャ付きナット(14mm)を緩めて取り外し、クラッチプレートはそのまま再利用するつもりで、シムだけを取り外して、再び組み付けて様子を見ることにした。(このときのエアギャップ測定値は0.4mm)

すべてを元通りに組み付けて、クルマを下ろしてエンジンを掛け、試運転したあと、しばらくアイドリングしてみる。すると、最初のうちは、正常に作動していたが、30分くらいすると、クラッチがONするタイミングで、キュッ、キュッと金属のすれる音がするようになった。??そしてさらに、その音はギャーッという連続した音に変化するようになってしまった。(エアコンは効いている?)どうやらクラッチプレートが、コンプレッサプーリーと同期するときに滑っているようだ。

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元々のコンプレッサのクラッチプレート。リベットの部分が面位置になるまで、プレートがすり減っている。

再びクルマをジャッキアップして点検してみると、クラッチプレートの裏側のリベットの部分がギリギリの面位置で浮き出ていて、もはや使用できる状態ではなかった。明らかな確認不足である。

マグネットクラッチの状態は、現車でも中古でもあまり変わらない。ならば、クラッチだけアッセンブリで取り替えてもあまり意味が無いし、修理できたとしても長持ちしないだろう。そもそも、このキュッとかギャーッとかいう金属同士が滑る音がするということは、マグネットクラッチがONになったときのクラッチプレートとベルトが掛かるプーリーとの摩擦力が同じでないということだ。つまり、クラッチがONしたときに、コンプレッサ自体をファンベルトの掛かったプーリーが回転させ切れていないということかもしれない。これから先の修理には中古のクラッチプレート(エアギャップは約0.4mm)を使わないといけないのだが、そのプレートとプーリーをうまく同期させるには……。??

あ、そういえばファンベルトは長いこと取り替えてなかったな…。

ということで、ファンベルトを取り外して、新品を取り寄せて比べてみると、目視で約数ミリ伸びている。ベルト自体に亀裂などがなかったのであまり意識していなかった。早速新品のファンベルトに取り替えて作業を終了させた。

その後試運転を繰り返した結果、クラッチの音もなくなり、現在はエアコンの異常は全くなくなった。快適に冷えている。ただ、走行距離が20万kmを超えているので、コンプレッサー本体も交換すべきだったのかもしれないが、中古コンプレッサ本体は今後のためにストックしておくことにして、今回の修理を完了した。

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