福岡モーターショー2017

福岡モーターショー2017

2017年12月16日・17日と福岡モーターショー2017へ行ってきました。今年は開催日全日超満員で大盛況のようでした。やはりどのメーカーもハイブリッドを超えたEV(Electric Vehicle:電気自動車)の開発に力を入れていて、さらにその技術にAI(人工知能)を組み込んだ自動運転技術の研究開発の分野でしのぎを削っているようでした。

福岡モーターショー2017

従来の自動車が持つ「格好良さ」や「スピード・パワー」を兼ね備えた車もありましたが、これからはこんな従来の車が持つ魅力にさらにプラスして、自動運転技術を持つEV(電気自動車)が自動車のテクノロジーの最先端をいくようになるのだろうなと感じました。

IT技術・インターネットを土台にしてほぼ100%がコンピュータ(人工知能)による制御により、「走る」「曲がる」「止まる」ための装置をコントロールし、運転する人の意思だけをくみ取って運転するようになるのだな。将来的に人間は入力しさえすれば、後は何もしなくても勝手に目的地まで運んでくれるのだな。事故を起こすこともないし、車そのものの動きにしたがっていればいいのだ…。

そう思うと、なんだかさみしい気もします。現代ではクルマの役割が「運転を楽しむ」「スピードやパワーを体感する」とか「格好いいから自慢したり、カスタムしてドレスアップしたい」などの娯楽から、「目的地まで最短時間で到達する」とか「安全に人間を運ぶ」といった乗り物としての生活用具のひとつに変化しているようです。

 

しかし、それでもクルマの楽しみ方は何らかの形で新しく生まれ変わって続いていくような気がしないでもありません。例えば、コンピュータで運転操作するならば、ゲーム的な(あくまで遊びではないですけど)感覚で運転操作できるレーシングカーが登場したりして、それで新たなカーレースの世界ができるとか、新しいクルマの特性に合わせてを自分の好きなようにパーツをカスタマイズして、それを操作するコンピュータソフトウェアなんかも進化したりして、そのソフトウェアをプログラミングして自由に作ることができるとか。そんなことを勝手に考えてみたりするとまた楽しいのかもしれません。

 

今までの自動車の歴史が積み重なって進化してきているのだから、世の中にクルマが好きな人がいなくならない限り、クルマに関する新しい楽しみ方は自然に文化として新しく形作られていくといいなと僕は思いました。

 

輸入車メーカー

個人的な感想ですが、自動車の外観デザインは従来の良さを維持しつつ、EV技術を盛り込んでいるメーカーが多かったです。クルマのサイズが極端に大きいかコンパクトであるかの両極端がある感じがするのは、日本人のユーザビリティではないからそう見えるのでしょうが、やはり日本にはない独特なデザインの高級感はそのままだと思います。

ルノー

 

BMW

 

MINI

 

アルファロメオ

ジャガー




国産車メーカー

デザイン的に外観がシャープでったり、丸っこかったり、従来の日本車のデザインから派生して各メーカーの特徴は変わってはいませんが、車内は昔と比べると格段に広く作られていて、海外のメーカーと比べたら、乗りやすく運転しやすい。さらにコンパクトなようでありながら使い勝手な良さそうなデザインが多い感じがしました。

地方なんかでは、現在では軽自動車の需要が高いのですが、これからはEV使用のコンパクトカーが主流になっていくのではないかとおもいました。

以下、特に気になった国内メーカーの展示車両を紹介します。

 

レクサス LC

V型8気筒5Lエンジンと10速AT。レクサス独自のマルチステージハイブリットシステムを採用しています。

 

SUBARU  SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT

スバルのVIZIVシリーズとしては初のセダンボディーを採用。低重心で前進缶のあるボディーや力強く張り出したフェンダーが唯一無二の個性を発揮。パワートレインはスバル社が50年以上にわたり熟成を重ねてきたおなじみの水平対向エンジン+シンメトリカルAWDでさらに進化型アイサイトと各種デバイスを組み合わせた高度な運転支援技術を搭載しています。

 

 

NISSAN IMxとGT-R

将来の「ニッサン インテリジェント モビリティ」を実現すべく具現化されたコンセプトカー「NISSAN IMx」と往年の名車「GT-R」です。GT-Rも将来は自動運転技術を搭載するようになるのでしょうか?

 

 

HONDA

Honda Sports EV Concept」はホンダの企業アイデンティティであるスポーツマインドを、EVの世界で表現しているそうです。電動パワーユニットに加えて、ホンダのAI技術「Honda Automated Network Assistant」を組み合わせています。

「NSX」は高出力3.5L V6 DOHC ツインターボエンジンと3基のモーターとの組み合わせにより強烈な出足と加速感を出しているそうです。また、NSX独自のメカニズム「SPORT HYBRID SH-AWD」により新しい走りを実現しています。

近年。日本でも発売されるようになったシビックTYPE-Rです。展示されていたスポーツタイプのクルマの中でも、現在の時点では最もユーザーに近い気がしました。

 

九州の大学の取り組み

別館では九州に所在地をおく自動車メーカーや地元九州の自動車関連企業、各大学の自作自動車の展示ブースがあり、ここでもまた、最新の技術に触れることができました。中でも僕が個人的に興味を持ったものを紹介・掲載したいと思います。

 

九州工業大学・KIT-formula

九州工業大学の学生による学生フォーミュラチーム(KIT-formula)のフォーミュラカーです。学生の手による製作を通して自動車工学の基礎を身につけ、それに付随する機械工学や電気・電子工学などを通して自動車設計の基礎となる力を身につけることが目的だそうです。

 

また、「全日本 学生フォーミュラ大会」にチームとして出場しており、その競技大会にて車両性能やコスパに優れた設計力など様々な要素を学習しているそうです。

九州工業大学 KIT-formula

 

久留米工業大学・PARTNER MOBILTY

 

AI(人工知能)を搭載した車椅子のようなものですが、介助者がいなくても、車いすを使う本人の意思で自由に移動ができ、また対話もできるように現在研究開発されているものだそうです。

以下、配布して頂いた資料より抜粋いたします。

久留米工業大学は自動車工学の教育と研究を強みとしていて、自動車メーカー等での自動車開発経験豊富な教員を多く配置している「インテリジェント・モビリティ研究所」を設置し、研究開発に取り組んでいます。

このインテリジェント・モビリティ研究所は、対話システム技術を得意とする「Computer Sience Institute」、マップ経路探索技術を得意とする「ZENRIN DataCom」、スタイリッシュな電動車いすメーカーの「WHILL」、そして移動支援で先進的な取り組みをしてきた久留米市介護福祉サービス事業者協議会などと連携し、「人工知能枝御搭載した対話型自動運転パートナーモビリティ」の開発をすすめて来ました。

2017年8月に基本システム(人工知能による対話・自動車運転・危険回避)の開発を終え、久留米市役所でプレスリリースを行い、新聞やテレビ、yahooニュース、海外WEBメディアで紹介されました。

今後福岡県久留米市内を皮切りに全国各地での実証実験に入ります。その実証実験で出た課題を分析し、対話機能や危険回避システム、車両制御機能の強化を進めます。また、介護福祉団体と連携してユーザ0の健康管理機能の追加も目指します。

対話が可能な自動運転モビリティで福祉サービスにイノベーションをもたらす持続可能な新ビジネスの創出を目指します。

主な特徴

  • 屋内と屋外の両方に対応する自動運転システム
  • 利用者の好みに合わせたルートを対話形式で提案
  • 走行中の障害物をAI(人工知能)が判断する危険回避システム
  • 美術館、テーマパーク、商店街、病院、被災地、職場など多様なシーンに対応
  • 利用者のバイタル情報を把握する健康管理システム(開発予定)
  • 対話のミス判断を軽減する自動言語処理システム(開発中)

期待される成果

  • 移動困難な方の外出回数が増え、健康増進が期待できる
  • 新たな福祉モデルの運用に伴う雇用を創出でき、地域活性化が期待できる
  • 移動困難な方の雇用促進が期待でき、支援される側から支援する側になれる

久留米工業大学インテリジェント・モビリティ研究所

 

「人工知能は現代の人間の仕事のほとんどを奪ってしまうのではないか」というマイナスなイメージが言われていたりしてますが、この車いすのように障害を持つ方の生活をアシストするために人工知能を有効活用するという考え方や視点が大変に素晴らしいのではないでしょうか。

自動車に関する技術が進化して、人工知能や自動運転技術などが注目されるようになった昨今では、このように健常な人達が利用して大変に便利な技術が障害を持つ人や高齢者や子ども達にも同様に活用できるようになると良いと僕は思います。優れた技術によりハンデキャップを背負った人達にも車いすや自動車を自由に乗りこなすことができる時代が来るといいですね。




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