動力伝達装置のメンテナンス:AT編

ATのメンテナンス

AT(オートマチックトランスミッション)は故障が起こりにくい装置であるが。異常が発生すると走行が難しくなる。定期的にチェックを行いたい。但し、車種によってはATF(オートマチックトランスミッション・フルード)を点検するためのレベルゲージが備えられていない場合もある。こうした車種の場合には、走行中の変速状態からトラブルの前兆を察知するしかない。

AT(オートマチックトランスミッション)とは

AT(オートマチックトランスミッション)は、アクセル操作や車速に応じて変速を自動的に行う装置のことである。変速にはトルクコンバーターと変速機が君合わされている。トルクコンバーターとは流体クラッチの一種で、停車中にエンジン回転を変速機に伝えないようにしたり、スムーズに回転を伝えたりする上に、トルク(回転する力)を増大させることが可能である。変速機は歯車の組み合わせを変えるものだが、油圧によって切り替えを行っている。これらの動作はすべて電子制御されていて、エンジンのコンピューターとの連携も行われている。

長く使っていれば変速機内のパーツが摩耗するなどしてトラブルが起こるケースがあるが、通常のメンテナンスで重要なのがATF(オートマチックトランスミッション・フルード)である。ATFは変速機内で歯車などを潤滑するのはもちろん、歯車の組み合わせを変える油圧の伝達にも使用され、トルクコンバーター内で力の伝達にも使用される。そのためメンテナンスではATFの量や状態を各インすることが重要とされてきた。

このATFの量や状態を誰もが簡単に確認できるように、従来はATFレベルゲージがエンジンルームに備えられていたが、近年ではレベルゲージを備えない車種も増えてきている。

レベルゲージを備えない車種では、全く不可能というわけではないが、DIYによるメンテナンスが難しくなってきている。日頃の走行で変速状態に異常を感じたら、早急にメーカー・ディーラーや整備工場へ相談した方がよいと思う。



ATFの寿命

ATFは劣化の進みが遅いので自動車メーカーも交換時期を指定していないことが多い。実際10万キロくらいではトラブルがないことも多いが、ある程度劣化したATFを交換すると変速ショックが軽減したりレスポンスが向上したりすることがある。整備工場でもATの調子が悪い場合には、最初にATFを交換して様子を見る場合が多く、それでトラブルが解決することもある。

ATFも一定期間ごとに交換した方がいいのであるが、ATFを交換すると、新しい駅によって固着していた汚れが浮き上がって流れ出し、油圧経路を詰まらせてトラブルが発生することがある。そのため定期的に交換するならば続けて交換する方がいい。交換後の走行距離による制限が設けられている場合が多い。ショップによって異なるが、5万km走行や7万km走行が上限とされているようだ。

ATFの点検

ATFレベルゲージのない車種の場合、DIYでもできる点検は、液漏れの確認程度である。液漏れはATFの排出口に備えられたドレンプラグやオイルパンの取り付け部分で起こりやすい。下回りを点検して液漏れが起こっていないかチェックする。

レベルゲージのある車種の場合は、ATFの量を測定することが出来る。測定方法はエンジンオイルのレベルゲージと基本的に同じだが、ATFが暖まった状態でアイドリング中に測定を行う(メーカー・車種により異なる場合もある)また、ゲージの先端にはHOTとCOLD(COOL)のメモリが用意されていることが多い。エンジンを暖機している場合にはHOTを使用する。(COLDのメモリは液交換時に使用する)HOTの上限と下限の間であれば適量だが、ATFは消費されるモノではないので、量が減っていたら液漏れの可能性がある。

ATFの量を測定する

エンジンを掛けてアイドリング状態にするか、もしくは走行してエンジンを暖機して、ATFを暖める。その状態でエンジンを駆けたまま停車し、ブレーキペダルを踏んだままATセレクトレバーを操作して、R、D、Nなどそれぞれのレンジに入れたまま1秒ほど保持する。(この操作でAT全体にATFを循環させる)すべてのレンジにシフトしたらPレンジに戻す。

エンジンルームのATFレベルゲージを抜き取り、ゲージの先端に付着したATFをきれいな布やペーパーなどで拭き取り、再びレベルゲージを元に戻す。このとき決してゲージ自体に汚れが付かないように注意する。

ゲージをしっかりと差し込み確実に元の位置に戻したら、再びレベルゲージを抜く。ゲージの先端に付着したATFが流れると測定結果が分かりづらくなるのでゆっくりと抜くこと。



ゲージの先端の何処までATFが付着しているかを見る。上限と下限のメモリの間まで付着していればATFは適量である。

測定が終わったら、再びレベルゲージを元の位置に戻す。このときも確実に元の位置に戻すようにしっかりとセットする。

ATFの液漏れをチェックする

ATFの液漏れ点検は下回りから行う。液漏れはオイルパンの取り付け部分で起こりやすいので、液のにじみや液に固着した汚れがないかどうか点検する。

液漏れはATFのドレンプラグ(排出口)からも起こりやすい。プラグ周囲に液のにじみがないかを点検する。緩みがないかどうかレンチを駆けてみてもよい。また、オイルパン周辺からにじみが見られる場合には、オイルパンの周囲に取り付けられているボルトを少しづつ均等に増し締めしていくのもいい。



 

 

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