平成10年式:ニッサン・セレナ 型式:E-KBC23 走行距離:56,000km
走行中にメーターのランプがつく
「走行中、突然メーター内のランプが灯きっぱなしになった」と遠方に出かけたユーザーから電話がかかってきた。赤色のオイルランプだという。「オイルランプなのでエンジンオイルの量を確認して、減っていればガソリンスタンドで基準値まで足して貰って下さい」とユーザーに指示を出した。
次の日、再びユーザーから電話がかかってきて「エンジンオイルは基準値まで入っているし、またランプが灯きっぱなしなので見て欲しい」とのことであったので、おそらくオイルプレッシャースイッチであろうと想定しながら同僚が引き取りに行った。
エンジンオイルランプとブレーキランプ
引き取ってきた同僚から「エンジンオイルランプとブレーキランプが灯きっぱなしだ」との報告を受けた。エンジンを始動してメーター内のランプを確認すると、確かにオイルランプとブレーキランプが点灯している。また、エンジンオイル量もユーザーの言うとおり基準値まで入っている。
次にブレーキオイルも確認したが、これもOK。ブレーキタンク内のフロートが引っかかっているのかと点検したが問題なし。ヒューズも問題なし
この車両は車外品のホーンや内装もカー用品店で販売されているいろいろな電装品を取り付けているので、オイルランプとブレーキランプが同時に点灯すると言うことは、それらの配線がいたずらしているのだろうか?。エンジン自体はすこぶる快調で問題は無い。ここで、ふと、ホーンが鳴らないということに気づき、関係あるのかどうか分からないが、ホーンの配線をたどって点検したが、特に問題は無かった。
ホーンリレーやホーンスイッチなど、点検していったが問題は無く「何だろう」と何気なくホーンボタンを押したら急に正常に鳴り出した。
ホーンは正常に戻ったので(なぜかは原因不明)メーター内のランプ類も正常に戻っているのではないかと、わずかな期待を胸にエンジン始動。しかし、オイルランプとブレーキランプは点灯しっぱなしである。
電動ファンとエンジンルーム内の温度
修理に行き詰まったので、ディーラーに連絡して今までの経緯を伝え、配線図を頂けないかと問い合わせた。しばらくしてディーラーから連絡があり「ベルト等の修理をされましたか?」と質問された。詳しく聞いてみると、ラジエータの電動ファンの他に、エンジンルーム内の温度を調節する電動ファンがあり、そのコネクタが外れていると、そのような現象が起こるという。
車両をリフトアップしてアンダーカバーを取り外すと、その電動ファンが現れた。コネクタは外れていない。どこで制御しているのか調べていくと、どうもサードブレーキレバー横にそれらしきセンサがあった。(写真参照)
資料を取り寄せてみると、やはりこのセンサがエンジンルーム内の雰囲気温度を感知して電動ファンを操作している。エンジンを始動し、センサのコネクタを外しても例のランプは消えないので短絡してみると、ファンが回転してメーター内のランプが消えた。
原因は特定できないまま修理完了?
リレーの誤作動なのだろうか?。正規の状態に戻してエンジンを掛けてしばらく様子を見ていたが、それ以降の症状は認められなかった。
納期が迫っていたのと、仮にまた同じ症状が出ても走行上、支障は無いと判断して様子を見てもらい、もし症状が出るようならばヒートゲージを確認しながら再度入庫してmらうように説明して納車した。
後日、様子伺いの電話をしたが、今のところその症状は出ていないとのこと。原因が特定できなかったので、何か腑に落ちない一件だった。