トーインゲージの使い方

トーインゲージの使い方

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目次

  1. トーインとトーアウト
  2. トーインゲージの使い方
  3. トーインの測定方法

トーインとトーアウト

ホイールアライメントのなかで、前輪用のホイールを上側から見ると、タイヤの中心は完全に直進方向を向いているのではなく、やや角度が付けられている。タイヤの前側の方が後ろ側より距離が狭い。下図に示すようにA(前側)がB(後側)より狭い。(A<B)このような状態をトーインといい、逆にA側がBより広い(A>B)状態をトーアウトという。

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トーインとは

一般的な車両はトーインの状態で設定されていて、この値は0~5mmぐらいといわれている。

トーインの役割

トーインの役割は、例えば、車両が直進走行している場合、片側のタイヤに常に内側に進もうとする力が作用して前輪左右2つのタイヤで互いに内側方向へ進もうとすることで直進性を保っている。横風が吹いたり路面の状況の変化などでボデーが傾いた場合には、当然傾いた方向に進もうとするのだが、トーインが設けられていると、その直進性を保とうとする力により、傾いた方向に進もうとする力を打ち消そうとする力が作用する。これにより車両は安定して直進走行することができる。

このように、自動車の安定走行に重要な役割を担っているのがトーインで、前輪タイヤの前側と後側の角度の違いを測定する機器がトーインゲージである。

トーインゲージの使い方

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トーインゲージの構成

トーインゲージは上図に示すように横長のバーにタイヤ幅を測定する2本の指針が取り付けられ、バーの片方に固定用指針部と、もう片方にはインジケーター部(測定読取り)で構成されている。インジケーター部には下図に示すようにマイクロメーターと同様にシンプルとスリーブ機構を備えている。

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インジケーター部の目盛りの読み方

したがって、バーは自動車本体のトレッドの幅に応じて長さが調整できる構造になっており、片方の指針はタイヤの中心に合わせて蝶ナットで固定し、もう片方の指針はインジケート部のシンブルを回すと動き、インジケーター部にその移動量を示すようになっている。

インジケーター部の目盛りはシンブル1回転につき指針が2mm動くようになっている。スリーブ上には1mm単位に目盛りが刻まれていて、シンブルの周囲は10等分された目盛りが刻まれている。最小目盛りは0.2mmまで読み取ることができる。

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トーインゲージの測定方法

平坦で舗装された場所と、タイヤの空気圧は規定値であることを条件とする。

  • 前輪を直進状態にする
  • トーインゲージの指針先端をタイヤ中心の高さに合わせる
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指針の合わせ方

  • 左右のタイヤの後ろ側のトレッド面に、タイヤ中心の高さにマークをつける。
  • トーインゲージのインジケーター部のマイクロメータを操作して、目盛りをゼロにセットする。その状態で指針の先端をマークに合わせる。
  • タイヤの後側に付けた測定マークがタイヤの前側にくるように、車両を静かに前進させ、(タイヤを180度回転させる)測定マークがタイヤ前側の中心高さに来たときに止める。
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トーインの測定要領

  • トーインゲージの一方の指針を測定マークに合わせる。
  • もう一方の指針は、インジケーター部のシンブルを回して測定マークに合わせる。そのときのマイクロメータ部の目盛りを読み取る。そのときの数値がトーイン○○mmということになる。
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トーインの測定方法

トーインの調整は、車両のサスペンション型式によって若干異なるが、大体サスペンション下部にあるステアリングリンクゲージのタイロッドエンドのチューブを回転させて行う。

独立懸架式サスペンションの場合
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独立懸架式のステアリング機構

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トーインの調整:ラックピニオン式

独立懸架式のラック・ピニオン式ステアリングリンクの場合には、上図のようにロックナットを緩め、ラックエンドを回して行う。

ボールナット式の場合
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トーインの調整:ボールナット式

ボールナット型ステアリング機構のものは、図のようにクランプボルトを緩め、タイロッド調整チューブを回転させて行う。

リジッド式の場合
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トーインの調整:リジッド式

リジッドアクスル式(車軸式)の場合は、クランプボルトを緩め、タイロッドを回して行う。

いずれの場合にも、左右同等に回転させて調整寸法を振り分けることがポイントで、左右に違いがあると前輪の切れ角やステアリングのセンター位置の狂いなどが生じる。

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