ラジエータキャップとサブタンク

ラジエータキャップとサブタンク

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目次

ラジエータキャップの役割と機能

図1:プレッシャ型ラジエータキャップ

図1:プレッシャ型ラジエータキャップ

ラジエータキャップは、図1のように、プレッシャバルブ(加圧)と、バキュームバルブ(負圧)を備えていて、冷却系統に常に圧力を加えるようにしたプレッシャ型のものが用いられている。
これは、ラジエータキャップでラジエータを密封し、エンジン始動後の冷却水の熱膨張に対してエンジンの冷却ライン内に圧力を掛けて、水温が100℃以上になっても沸騰しないようにして、気泡の発生を押さえ冷却効果を高めている。

圧力をかけて冷却水の沸点を上げる理由
我々の生活環境のなかで水は大気圧内では100℃で沸騰するが、水はその大気圧よりも高い圧力をかけると100℃以上で沸騰するような性質を持っている。一方で、自動車のエンジンは燃焼によりどんどん高温になり圧力をかけないと冷却水はすぐに沸騰してしまう。水(冷却水)によってエンジンを冷却するためには、大気圧下の100℃で沸騰してもらっては冷却にならない。
そこでエンジンを冷却して適温に保つための冷却水が通るエンジン内の冷却水通路やラジエータなどに圧力をかけて大気圧以上の圧力状態にして100℃では沸騰しないようにしているのだ。
仮に何らかの原因で冷却水が沸騰してしまった場合、冷却水内にエアが発生してエンジンの適切な冷却ができなくなり、オーバーヒートを起こしてしまう。
一概に冷却水でエンジンを冷却していると言っても、高温になるからただ単純ににに冷やしているわけではなく、冷却水の沸点を下げることで沸騰を防止して、なおかつ、エンジンをその性能に応じた適切な温度に保つための工夫なのだ。

ラジエータキャップの作動

図1:プレッシャ型ラジエータキャップ

図1:プレッシャ型ラジエータキャップ

ラジエータキャップは、ラジエーター内が規定圧力内の時にはプレッシャバルブとバキュームバルブは共に閉じてラジエータ内の機密を保っている。
エンジンの回転と共に冷却水温度が上昇してラジエータ内が規定圧力以上になると、図1(1)のようにプレッシャバルブが開いて温度上昇により膨張した分の冷却水をサブタンクへと送ることでラジエータ内の圧力を調整する。
エンジンが停止して冷却水温度が下がり、冷却水温度が下がってそれまで膨張していた冷却水が元に戻るとラジエータ内に負圧が発生する。すると、図1(2)のようにラジエータキャップのバキュームバルブが開いて、サブタンクから冷却水を負圧がなくなるまで吸入する。

サブタンク

図2:サブタンク

図2:サブタンク

サブタンクは、ラジエータ内の冷却紙の温度が上昇して体積が膨張したとき、ラジエータ内に蓄えきれなくなった量の冷却水を蓄えておき、逆に冷却水の温度が低下して体積が収縮すると、ラジエータ内に負圧が発生してサブタンク内の冷却水をラジエータ内へと戻し、常にラジエータ内冷却水の水量を一定に保っている。
以上の機能を果たすためには、このラジエータとエンジン本体を通る冷却ライン全体は、常に密封されている必要がある。つまり、エンジン冷却ラインのエア(気泡)が混入しないようにすることである。
エアが混入すると、冷却水の圧力が正常に機能しないまま、オーバーヒートを引き起こす危険性が大きくなる。冷却水の漏れに注意することや、分解整備や修理の際の冷却水のエア抜きは確実に行う必要がある。

サブタンクとラジエータキャップ部をつなぐホースに注意する
冷却水の点検を行うときには、必ずサブタンクに記されている「Hi」と「Low」のゲージを目安に冷却水の量や、エンジン暖気後と停止後の水量の差からラジエータキャップの機能やエア抜きがただ悪しく行われたかどうかなどをを判断するのだが、これらが適切でない場合は、冷却系統の異常を疑う必要がある。しかし、サブタンク本体にトラブルがあることは、以外にも意外にも盲点なのではないだろうか。
以下のの故障事例は、サブタンクそのもの点検を怠ったがために起きたトラブルの一例である。是非とも参考にすべき事例の一つだと思う。

参考文献・Webサイトなど

このサイトは以下の文献・サイトより引用・参考にさせていただきました。
  • 三級自動車ガソリンエンジン | 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会

https://www.jaspa.or.jp/association/publication/book_k3gaen.html

  • 自動車用エンジンの冷却技術:橋本武夫 著 | グランプリ 出版

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