平成9年式ワゴンR:3番プラグが黒く焼ける

平成9年式:スズキ・ワゴンR 型式:E-CV21S エンジン型式:F6A ターボ

 



3番シリンダーのプラグだけが黒く焼けるエンジン

車検にて入庫したのであるが、プラグを点検すると、3番プラグだけが黒く焼けている。燃焼が正常に行われているのであれば、プラクは黒く焼けずに、少し茶褐色に焼けるはずである。そこで、以下の点検を行った。

  1. 圧縮を計測すると9kg/cm2
  2. 火花はプラグコードから全気筒共に強く飛んでいる。
  3. 全気筒のプラグの状態は正常(3番のプラグ以外)
  4. エンジン・ダイアグノーシス・コードは正常

以上の点検結果より、燃焼の三要素(圧縮・火花・混合気)のうち、圧縮と火花は正常である。したがって混合気の異常になるのであるが、プラグがかぶって(燃料が付着している)いたり、黒く焼けている場合は、混合気の内の燃料の量がい多い、つまり混合気が濃すぎるということである。

そう判断し、3番シリンダーのインジェクタの異常を疑うと、インジェクタ自身の燃料漏れか、通電時間が長いということが考えられる。

インジェクタの点検

3番シリンダのインジェクタのカプラを外してフューエルポンプを回して点検する。すると3番のプラグは濡れていなかったのでインジェクタからの燃料漏れはないと判断した。

次に、故障診断機を用いて、インジェクタの通電時間を測定したところ、下記のような波形を示した。

日立ダイアグノスティック・モニタ HDM-2000





上図の電圧CH1が第3気筒、電圧CH2が第2気筒の噴射波形である。CH1の波形がCH2の波形と比べて異常であることがわかる。

ここで、計測ブローフの差し込みを確認するためにインジェクタのワイヤーハーネスを触ったところ、波形が変化したので、ワイヤーハーネスを点検(第三シリンダのインジェクタ〜コントロールユニット間)していくと、エンジン内のプレッシャレギュレータと接触した跡があり、配線がむき出しになっていた。

したがって、今回のトラブルは、第3シリンダのインジェクタ・アースがハーネスの途中にあるプレッシャレギュレータと振動により接触することで、噴射時間を制御する信号に狂いが生じ、燃料噴射量を通常よりも増やしていたことが、プラグが黒き焼ける原因であるということがわかった。

日立ダイアグノスティック・モニタ HDM-3000

参考資料

 

 

 


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