ホンダ・バモスのユーザー車検
平成17年式ホンダ・バモス(型式:ADA-HM1 エンジン型式:E07Z)のユーザー車検のため事前に行った車検整備のレポートです。
約2年前に事故車として中古車屋の片隅に廃車寸前で転がっていたこの車を、中古原付バイクなどとそう変わらない値段で購入。購入当時の走行距離は約85,000kmで現在は約120,000km近くまで走っています。
10万キロ超えということだけどタイミングベルトは購入時の車検整備の時に一式交換しており、今回エンジンのトラブルはとくにないようなので、エンジンオイルのみの交換だけにして、その他足回りや室内、ライト周りなどを入念に点検しました。
点検の結果、交換・修理が必要な箇所と部品は次の通りでした。
足回り・サスペンション
- フロントロアアーム・ボールジョイントブーツ 左右2個
- タイロッドエンドブーツ交換 左右2個
- タイヤ 145/80R12 6PR(軽バン・軽トラック専用タイヤ)タイヤショップにて別途交換
ブレーキ関係
- リヤ・ホイールシリンダーカップキット交換
- リヤ・ドラムブレーキシュー 左右4枚
- ブレーキオイル交換 約1リットル
室内関係
- 室内ロッドラック取り外し
- 室内インナーハンドル取り付け
エンジン関係
- エンジンオイル交換(オイルエレメントは見送り)
- エア・クリーナー清掃
ジャッキアップしてタイヤを外す
車の後輪に輪留めをしてサイドブレーキをかけたら、フロントからジャッキアップしていきます。ジャッキを当てるポイントは必ず整備工場に相談するか整備士に確認してもらって下さい。
僕の場合は、フロントのサスペンションアームの付け根中央部分にジャッキをかけるポイントがあるのでそこから上げています。リヤはサスペンションビームの中央です。くれぐれもラジエーターやエンジン本体にジャッキを直接かけることはしないで下さい。
リジット・ラック(ウマ)をかけるポイントは以下の通りです。マウントのゴムは必ず装置するか、最初から付属しているものを使って下さい。
- フロントはサイド・シル部分のタイヤハウスの付け根側にリジット・ラックを掛ける部分があります。(通常はリフトの足を掛ける場所)
- リヤは、リーフスプリングの付け根側で接続ブラケットが車体フレームに直結している部分にしています。
フロントロアアーム・ボールジョイントブーツ交換
- フロントロアアーム・ボールジョイントブーツの交換です。車をジャッキアップしたら、タイヤを手で上下左右に揺さぶり、ハブや足回りにガタがないことを確認して、フロントタイヤをインパクトレンチなどで外します。
- 今回の車検では、写真の赤丸の部分(ロアアーム・ボールジョイントブーツ)にヒビが入っていたので交換します。まずはタイヤを外した状態では、ロアアームがぶら下がったままになり、不安定なので、車載ジャッキを使って少し浮かした状態でナットにはまっている割ピン抜いて緩めます。
- ナットを緩めたら、必ずそのナットをねじ部の面位置まで緩めて止めます。写真がないのでわかりにくいのですが、ナットの面とジョイントのボルト面を合わせた状態にするということです。その状態で、上写真右端のエンドプーラをロアアーム・ボールジョイントブーツとハブ・ナックルの当たり面と先述のボルト・ナット面にセットし、エンドプーラーのねじ部を締め込みます。
- その状態ができたら、エンドプーラの端をハンマーで叩いてハブ・ナックルとロアアーム・ボールジョイントの嵌合を外して下さい。
- 嵌合部分が外れたら、ロアアームをバールなどでこじって下部に動かして、ハブ・ナックルとロア・アームを完全に切り離します。
- それができたら、マイナスドライバーなどでブーツの付け根を軽く叩いて、ロアアーム・ボールジョイントブーツを外します。
- ジョイント部分を清掃し、あたらしいシャシ・グリースを塗布したら、新しいブーツを取り付けます。私の場合、36mmのソケットに新しいブーツをセットして叩き入れます。このときソケットの端を少しずつ均等に叩き入れます。くれぐれもボールジョイントのねじ部を叩かないように気をつけて下さい。
- ブーツをセットしたら、再びバールを用いて下部に動かしながらハブ・ナックルと結合させます。バールを使うときは他のバーツ(スタビライザーなど)に干渉しないようにします。できれば二人がかりでやるとスムーズに作業ができると思います。
- ボールジョイントのナットを締め込むときは再び車載ジャッキなどを用いて、ロアアームを少し浮かした状態にします。これをやらないと締め込むときにハブ・ナックルの荷重がかかったまま締め込むことになるため、適切な締め付け方ではありません。それから締付トルクですが、トルクレンチや締付トルクの値が分からない場合は最初に緩める前にナットとジョイントのボルトに小さな印をタッチペンなどで付けておきそれに合わせると間違いはないでしょう。それができたら最後に必ず割ピンをセットすることを忘れないようにして下さい。
タイロッド・エンドブーツ交換
- タイロッド・エンドブーツ交換ですが、基本的にはロアアーム・ボールジョイントブーツの交換とあまり変わりはありませが、タイロッドにはサイドスリップを調整する時にタイヤのトーイン・アウトを調整するためにタイロッドの長さを変えるためのねじが付いています。なので、このタイロッドエンドを外す前にねじ部の長さをノギスなどで測るか、ねじ山の数を数えておいて記録しておくことをおすすめします。
- このタイロッドをいったんハブ・ナックルから外してしまうと、たいていの場合サイドスリップの値が狂います。この調整方法は後述します。
- ロアアーム・ボールジョイントブーツの交換と同じやり方で、タイロッドエンドの固定ナットをタイロッドエンドジョイントボルトの面位置まで緩めたら、エンドプーラーで嵌合を外し、ブーツを取り除きます。
- ジョイント部を清掃したら、新しいシャシグリースを塗布します。
- タイロッドエンド・ブーツの取り付けですが、垂れ下がったタイロッドをある程度の高さにまで固定しておいてブーツをソケットで叩き入れる鉄製の台などがあればいいのですが、それがない場合。私の場合は、ウォーターポンププライヤを使いブーツの端、円周側を少しずつ挟み込みながらかぶせるようにして入れていきます。このときくれぐれもブーツを破かないように注意しましょう。また、ソケットで叩き入れる方法を使う場合は、ブーツの外周とソケットのサイズが適切かどうかに注意しましょう。
- ブーツをセットしたら元通りに組み付け、割ピンをセットして完成です。と言いたいところですが、このままでは車検時の検査項目である「サイドスリップ検査」に不合格を受ける可能性が高いので、その調整を容易にしておくため、タイロッドエンドに付いているタイロッドの長さを調整する時に緩める必要があるナットをいったん緩めておきましょう。なぜかというと、このナットは固着して緩めにくくなっていることが多く、車検検査時になって現場で緩まないことが多いので、整備時の緩めやすいときに緩めておいて固着や錆などを取り除いておこうということです。
- ナット緩めることができたら、再び自走するので必ずいったん締めておきましょう。
車内のロッド・ラック取り外し
- 釣り竿を掛けておくロッド・ラックを取り外して、正規の位置にインナーハンドルを取り付けます。このほかにも車検時における室内装備検査の対象として、ヘッドレストやシートベルト、パワーウインドウがきちんと動作するかどうかや各ドアの開閉、インパネ類のライトが付くかどうか。また、車外装備においては、ルーフキャリヤーや外付けフォグランプやホーン。期限切れの法定点検ステッカー(丸ステッカー)などがあります。
- 持ち込み検査なので、これらの装備品を外す必要があります。面倒なんですけどね…。
エンジン番号の確認
- エンジンには必ず「エンジン番号」が刻印されていて、検査員はこれを必ず点検・確認するようになっています。なので、この車の場合。車体後部のエンジンルームを点検するときは、必ず写真の赤で囲んだ部分(エンジン番号)を確認しておき、検査時に検査員が見やすいようにしておきましょう。
- エンジン番号はたいていの場合エンジンの中心であるエンジンブロック部分に刻印してあります。また、車の車体番号も検査員に必ず確認されますので、注意しておきましょう。
- 以上が今回の車検整備で行った主な作業です。この後灯火周り(ライト類)とワイパーゴムの点検を行い異常がないことを確認したあと、自分が点検整備したところや改めて車検整備に関する点検と確認を2回、3回と行い。異常がないことを確認したら、持ち込み検査の準備に入ります。
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ホンダ・バモスのユーザー車検
平成17年式ホンダ・バモス(型式:ADA-HM1 エンジン型式:E07Z)のユーザー車検のため事前に行った車検整備のレポートです。
約2年前に事故車として中古車屋の片隅に廃車寸前で転がっていたこの車を、中古原付バイクなどとそう変わらない値段で購入。購入当時の走行距離は約85,000kmで現在は約120,000km近くまで走っています。
10万キロ超えということだけどタイミングベルトは購入時の車検整備の時に一式交換しており、今回エンジンのトラブルはとくにないようなので、エンジンオイルのみの交換だけにして、その他足回りや室内、ライト周りなどを入念に点検しました。
点検の結果、交換・修理が必要な箇所と部品は次の通りでした。
足回り・サスペンション
- フロントロアアーム・ボールジョイントブーツ 左右2個
- タイロッドエンドブーツ交換 左右2個
- タイヤ 145/80R12 6PR(軽バン・軽トラック専用タイヤ)タイヤショップにて別途交換
ブレーキ関係
- リヤ・ホイールシリンダーカップキット交換
- リヤ・ドラムブレーキシュー 左右4枚
- ブレーキオイル交換 約1リットル
室内関係
- 室内ロッドラック取り外し
- 室内インナーハンドル取り付け
エンジン関係
- エンジンオイル交換(オイルエレメントは見送り)
- エア・クリーナー清掃
ジャッキアップしてタイヤを外す
車の後輪に輪留めをしてサイドブレーキをかけたら、フロントからジャッキアップしていきます。ジャッキを当てるポイントは必ず整備工場に相談するか整備士に確認してもらって下さい。
僕の場合は、フロントのサスペンションアームの付け根中央部分にジャッキをかけるポイントがあるのでそこから上げています。リヤはサスペンションビームの中央です。くれぐれもラジエーターやエンジン本体にジャッキを直接かけることはしないで下さい。
リジット・ラック(ウマ)をかけるポイントは以下の通りです。マウントのゴムは必ず装置するか、最初から付属しているものを使って下さい。
- フロントはサイド・シル部分のタイヤハウスの付け根側にリジット・ラックを掛ける部分があります。(通常はリフトの足を掛ける場所)
- リヤは、リーフスプリングの付け根側で接続ブラケットが車体フレームに直結している部分にしています。
フロントロアアーム・ボールジョイントブーツ交換
- フロントロアアーム・ボールジョイントブーツの交換です。車をジャッキアップしたら、タイヤを手で上下左右に揺さぶり、ハブや足回りにガタがないことを確認して、フロントタイヤをインパクトレンチなどで外します。
- 今回の車検では、写真の赤丸の部分(ロアアーム・ボールジョイントブーツ)にヒビが入っていたので交換します。まずはタイヤを外した状態では、ロアアームがぶら下がったままになり、不安定なので、車載ジャッキを使って少し浮かした状態でナットにはまっている割ピン抜いて緩めます。
- ナットを緩めたら、必ずそのナットをねじ部の面位置まで緩めて止めます。写真がないのでわかりにくいのですが、ナットの面とジョイントのボルト面を合わせた状態にするということです。その状態で、上写真右端のエンドプーラをロアアーム・ボールジョイントブーツとハブ・ナックルの当たり面と先述のボルト・ナット面にセットし、エンドプーラーのねじ部を締め込みます。
- その状態ができたら、エンドプーラの端をハンマーで叩いてハブ・ナックルとロアアーム・ボールジョイントの嵌合を外して下さい。
- 嵌合部分が外れたら、ロアアームをバールなどでこじって下部に動かして、ハブ・ナックルとロア・アームを完全に切り離します。
- それができたら、マイナスドライバーなどでブーツの付け根を軽く叩いて、ロアアーム・ボールジョイントブーツを外します。
- ジョイント部分を清掃し、あたらしいシャシ・グリースを塗布したら、新しいブーツを取り付けます。私の場合、36mmのソケットに新しいブーツをセットして叩き入れます。このときソケットの端を少しずつ均等に叩き入れます。くれぐれもボールジョイントのねじ部を叩かないように気をつけて下さい。
- ブーツをセットしたら、再びバールを用いて下部に動かしながらハブ・ナックルと結合させます。バールを使うときは他のバーツ(スタビライザーなど)に干渉しないようにします。できれば二人がかりでやるとスムーズに作業ができると思います。
- ボールジョイントのナットを締め込むときは再び車載ジャッキなどを用いて、ロアアームを少し浮かした状態にします。これをやらないと締め込むときにハブ・ナックルの荷重がかかったまま締め込むことになるため、適切な締め付け方ではありません。それから締付トルクですが、トルクレンチや締付トルクの値が分からない場合は最初に緩める前にナットとジョイントのボルトに小さな印をタッチペンなどで付けておきそれに合わせると間違いはないでしょう。それができたら最後に必ず割ピンをセットすることを忘れないようにして下さい。
タイロッド・エンドブーツ交換
- タイロッド・エンドブーツ交換ですが、基本的にはロアアーム・ボールジョイントブーツの交換とあまり変わりはありませが、タイロッドにはサイドスリップを調整する時にタイヤのトーイン・アウトを調整するためにタイロッドの長さを変えるためのねじが付いています。なので、このタイロッドエンドを外す前にねじ部の長さをノギスなどで測るか、ねじ山の数を数えておいて記録しておくことをおすすめします。
- このタイロッドをいったんハブ・ナックルから外してしまうと、たいていの場合サイドスリップの値が狂います。この調整方法は後述します。
- ロアアーム・ボールジョイントブーツの交換と同じやり方で、タイロッドエンドの固定ナットをタイロッドエンドジョイントボルトの面位置まで緩めたら、エンドプーラーで嵌合を外し、ブーツを取り除きます。
- ジョイント部を清掃したら、新しいシャシグリースを塗布します。
- タイロッドエンド・ブーツの取り付けですが、垂れ下がったタイロッドをある程度の高さにまで固定しておいてブーツをソケットで叩き入れる鉄製の台などがあればいいのですが、それがない場合。私の場合は、ウォーターポンププライヤを使いブーツの端、円周側を少しずつ挟み込みながらかぶせるようにして入れていきます。このときくれぐれもブーツを破かないように注意しましょう。また、ソケットで叩き入れる方法を使う場合は、ブーツの外周とソケットのサイズが適切かどうかに注意しましょう。
- ブーツをセットしたら元通りに組み付け、割ピンをセットして完成です。と言いたいところですが、このままでは車検時の検査項目である「サイドスリップ検査」に不合格を受ける可能性が高いので、その調整を容易にしておくため、タイロッドエンドに付いているタイロッドの長さを調整する時に緩める必要があるナットをいったん緩めておきましょう。なぜかというと、このナットは固着して緩めにくくなっていることが多く、車検検査時になって現場で緩まないことが多いので、整備時の緩めやすいときに緩めておいて固着や錆などを取り除いておこうということです。
- ナット緩めることができたら、再び自走するので必ずいったん締めておきましょう。
車内のロッド・ラック取り外し
- 釣り竿を掛けておくロッド・ラックを取り外して、正規の位置にインナーハンドルを取り付けます。このほかにも車検時における室内装備検査の対象として、ヘッドレストやシートベルト、パワーウインドウがきちんと動作するかどうかや各ドアの開閉、インパネ類のライトが付くかどうか。また、車外装備においては、ルーフキャリヤーや外付けフォグランプやホーン。期限切れの法定点検ステッカー(丸ステッカー)などがあります。
- 持ち込み検査なので、これらの装備品を外す必要があります。面倒なんですけどね…。
エンジン番号の確認
- エンジンには必ず「エンジン番号」が刻印されていて、検査員はこれを必ず点検・確認するようになっています。なので、この車の場合。車体後部のエンジンルームを点検するときは、必ず写真の赤で囲んだ部分(エンジン番号)を確認しておき、検査時に検査員が見やすいようにしておきましょう。
- エンジン番号はたいていの場合エンジンの中心であるエンジンブロック部分に刻印してあります。また、車の車体番号も検査員に必ず確認されますので、注意しておきましょう。
- 以上が今回の車検整備で行った主な作業です。この後灯火周り(ライト類)とワイパーゴムの点検を行い異常がないことを確認したあと、自分が点検整備したところや改めて車検整備に関する点検と確認を2回、3回と行い。異常がないことを確認したら、持ち込み検査の準備に入ります。
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