ダイハツ・ハイゼットのクラッチトラブル

1996年式 ダイハツ・ハイゼット 型式:V-S100V 走行距離:58,000km





クラッチペダルが重い

友人からの相談で、クラッチペダルが重くて変速するたびに足が痛むという。試運転すると、本当にペダルが重い。原因として、クラッチワイヤがさびているか、レリーズベアリングのオイル切れであると判断して、クラッチを分解することにした。

分解してみると、ベアリングボス(トランスミッションからのシャフト部分)のオイルが切れていた。クラッチディスクとカバーを見ると、ディスク両面がまだら模様になっていた。(上写真)このことから今回はクラッチディスクのみを交換することにして作業を行い、組み付けた。

クラッチディスク交換後に異音

納車後しばらくして、床下から腹に掛けて響く音が出るようになったとクレームが付いた。試運転では、確かに不愉快な音が出ている。通常クラッチ交換の際には、クラッチディスクの他に、クラッチカバーとレリーズベアリング(クラッチベアリング)の3点セットで交換するのが一般的であり、部品商や部品メーカーからの推奨事項でもある。しかしながら今回は「点検して悪くなってもない部品を交換する必要があるのか。」との不具合の原因の判断根拠だったが、クラッチだけ交換したときと、3点セットで新しく交換した時の部品の相性や、バランスを考え直したことと、メーカーディーラーに問い合わせたところ、やはり3点セットで交換して欲しいとの推奨事項から、新たに純正部品で3セットで交換することにして、作業を行った。すると、振動がウソのようになくなり、クラッチは正常に作動するようになった。



数多くのクラッチ修理をする中で、こんな些細な判断の誤りが再修理の原因になったのは初めてのことだった。また、このようなクラッチの異常現象や修理の際の留意事項などは、自動車整備士資格の教科書に記載されていたので、今一度基本に戻って見直してみるのもいいと思う。



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