ターボチャージャーの基本

ターボチャージャー(過給機)の基本について

自動車の吸排気装置は、エアクリーナ、インレットマニホールド、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ及びマフラなどから構成されているが、ここでは、充填効率の向上に効果がある過給機について説明する。

ターボチャージャー(過給機)の構造・機能

ターボチャージャーは、大気圧よりも高い圧力で多量の空気をシリンダ内へ供給する装置であり、同じ排気量でもターボなしのエンジンに比べて充填効率を大幅に高めることが出来るため、それに見合った燃料を供給することによりエンジンの出力を増大することが出来る。

ガソリンエンジンに用いられている過給機には、エンジンの排気ガスを動力として利用するターボチャージャーとクランクシャフトの回転力を機械的に利用するスーパーチャージャーがある。

ターボチャージャーは小型軽量で取り付け位置の自由度は高いのだが、エンジンが低速回転域から立ち上がろうとする際(排気エネルギーが弱い時)には、ターボチャージャーそのものの立ち上がりに遅れ(タイムラグ)が生じやすい。

ターボチャージャーの作動

ターボチャージャーは上図のようにタービン・ハウジング、タービンホイール、コンプレッサハウジング、コンプレッサホイール及びセンタハウジングなどで構成されている。動作原理は下記の1〜3である。

  1. シリンダから排出された排気ガスが上図のようにタービンハウジング内のタービンホイールに作用し、タービンホイールを回転させる。
  2. タービンホイールが回転すると同軸上にあるコンプレッサホイールが回転し、エアクリーナを通過した吸入空気は圧縮されてコンプレッサハウジングから吐出され、圧縮空気としてシリンダ内に供給される。
  3. エンジン回転速度が高くなれば、排気ガス量も多くなりタービンホイールの回転速度が増大し、過給圧も大きくなり出力が増大するが、必要以上に過給圧が大きくなるとノッキングなど異常燃焼の弊害によりエンジンの出力を損なうことになる。このため、過給圧を制御する必要が生じる。その対策としてターボチャージャーには一般的に「ウエストゲートバルブ」を設けている。
ウエストゲートバルブ

  • 過給圧が規定値内のとき

上図におけるアクチュェータのダイヤフラムは作動しない。ダイヤフラムスプリングのバネ力によりウエストゲートバルブは閉じているので、シリンダからの排気ガスはすべてタービンホイールに作用する。

  • 過給圧が規定値以上のとき

上図におけるアクチュエータのダイヤフラムが過給圧によって押され、ウエストゲートバルブが開いて、排気ガスの一部がタービンホイールをバイパスして流れるので、タービンホイール及びコンプレッサホイールの回転速度が低下する。この結果、規定のエンジン回転速度以上では過給圧が規定値以上にならないように制御される。

ウエストゲートバルブの制御には、このほかにエンジンコントロールユニットからの信号によりソレノイドバルブをON・OFFしてアクチュエータを作動させてバルブを開閉させる方法がある。

ウエストゲートバルブが故障してバルブの開閉が出来なくなると、エンジンコントロールユニットは過給圧を規定値以上に上げないようにエンジン回転速度を制御する場合がある。このときエンジンがハンチングを起こして、フェイルセーフに近い状態になることもある。ターボが効かない。ハンチングを起こすなどの場合には、このウエストゲートバルブの故障を疑ってみるといいかもしれない。

フル・フローティング・ベアリング

ターボチャージャの潤滑は、エンジンオイルを分流し、オイルパンを経てセンタハウジング上部から供給し、フル・フローティング・ベアリングなどを潤滑及び冷却してハウジング下部からオイルパンへ戻る。

ターボチャージャーのコンプレッサホイーリ及びタービンホイールは、最高で毎分約10数万回転するため、シャフトのベアリングにはフル・フローティング・ベアリングを使用している。このベアリングは上図のようにハウジングとシャフトの間でオイルにより完全に浮き上がっているので、シャフトのわずかなアンバランスによって発生する高速回転時の振動を吸収しながら潤滑と冷却が行われる。また、フル・フローティング・ベアリングは、ベアリングの周速がシャフトの周速の約半分となるため、耐久性に優れている。

センタ・ハウジングには冷却水通路を設けてエンジン冷却水の一部を循環させ、ハウジングを冷却するとともに、オイルの冷却も行っている。また、ターボチャージャーなどで過給すると、吸入空気温度の上昇も大きく圧縮圧力が高くなって、ノッキングが発生しやすくなるため、ノッキングの発生を感知するノックセンサを用いて点火時期を制御している。

 

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