平成18年式 ダイハツ・ミラ 型式:DBA-L275S エンジン型式:KF-VE ミッション型式:C0B-B1型CVT 走行距離:2,646km
自動車センサの働きは、何らかの入力を検知して、動作を行うアクチュエータに信号を送ることである。従って、センサのトラブルは、入力を正しく検知していないか、信号を正しく送れていないかの2通りしかない。
ダイハツ・ミラ(エンジン型式:KF-VE)のクルマに使われているセンサがどのような信号を出してアクチュエータを作動させているのかを実際に測定した結果とオシロスコープで観測した波形などを紹介する。
図1にKV-VE型エンジンのデバイス配置図を示し、図2にエンジンDLCコネクタの端子図を示し、図3にエンジンコントロールユニット(ECU)の端子配列図を示す。
エンジン調整
点火時期・アイドリング回転数の点検
タイミングライトは接続用コネクタにクランプする。エンジン回転計も同様に第1点火コイルのワイヤーハーネスにクランプする。その後図2に示すDLCコネクタのEFI-T〜E端子間を短絡させる。そのときの点火時期基準値は10±2°BTDC/850〜100rpmである。(NまたはDポジション。調整不可。)
暖機後のエンジンアイドリング回転数を確認する。基準値は900+100,-50rpmである。
自己診断(ダイアグノーシス)
従来のエンジンチェックランプによる読み取りができる。IGスイッチONの状態で、DLCのEFI-T〜E端子間を短絡すると、コンビネーションメーター内のエンジンチェックランプが点滅して、異常コードを番号が小さな順に繰り返して表示する。
ダイアグノーシスコードの消去は、IGスイッチをLOCKし、EFIヒューズ(15A)を取り外して60秒経過ヒューズを接続すればOKである。
センサ信号出力波形
以下に、実際のセンサのオシロスコープによる波形を紹介する。なお()内の数字はエンジンコントロールユニット(ECU)の端子番号になる。
エンジン回転センサ・カム角センサ
エンジン回転センサN+信号(59),N-信号(128)/ カム角センサN2+信号(58),N-信号(127)いずれもマグネットタイプである。
[実測値]
- エンジン回転センサN+信号
- アイドリング時:1.25V
- 2500rpm時:2.02V
- カム角センサN2+信号
- アイドリング時:0.85V
- 2500rpm時:2.10V
吸気管圧力センサPIM信号
吸気管圧力センサPIM信号(52)
[実測値]
- 吸入空気量PIM
- アイドリング時:1.90V
- 2000rpm時:1.61V
- 4000rpm時:1.50V
スロットルポジションセンサVTH信号
スロットルポジションセンサVTH信号(53)
[実測値]
- スロットルポジションセンサVTH信号
- 全閉:0.58V
- 全開:3.95V
フロントO2センサ・リアO2センサ
フロントO2センサOX1信号(123)/リアO2センサOX2信号(18)のアイドリング時と2000rpm時の出力波形
アクチュエータ(制御系統)
燃料噴射(フューエルインジェクタ)制御
燃料噴射(フューエルインジェクタ)制御#10(24),#20(23),#30(22):噴射方式は全気筒同時噴射(クランキング時と加速時)、始動後はシーケンシャル噴射(始動後)。インジェクタの駆動方式は電圧制御式である。
[実測値]
- クランキング時噴射時間:5.00msec
- アイドリング時噴射時間:2.97msec 作動電圧:14.1V
- 3000rpm時噴射時間:1.99msec 作動電圧:13.9V
点火時期(イグナイタ)制御
点火時期(イグナイタ)制御IG1(63),IG2(62),TG3(61):配電方式はダイレクト式(パワートラ内蔵IGコイル)である。
イオン電流燃焼制御システム
イオン電流燃焼制御システムICMB1(51), ICMB2(50), ICMB3(49)
アイドル回転数制御
アイドル回転数制御IACALo信号(66), IACABHi信号(67), IACBLo信号(68), IACBHi信号(69):ステッパモーター式である。
可変バルブタイミングシステム
可変バルブタイミングシステムQCV+信号(26)・QCV-信号(25)
フューエルポンプ制御
フューエルポンプ制御FC2信号(28)
CVT制御プライマリ回転センサ
CVT制御プライマリ回転センサNIN信号(B35)・セカンダリ回転センサNOI信号(B34)