ワイパーとウォッシャーのメンテナンス

ワイパーとウォッシャーのメンテナンス

ワーパーほど使えなくと困る装置はないが、実際に使うのは雨の日だけなので、トラブルが発生していても気がつかないことが多い。ウォッシャー液も同じである。ここではいざというときのために定期的にチェックすることにしておこう。洗車の際に点検してみるといい。

ワイパーとウォッシャーの点検

ワイパーはブレードゴムでウインドウ上の水滴を拭って雨の日の視界を確保する便利なものである。ウォッシャー液を併用することで、ウインドウの汚れを驚くほどきれいにしてくれる。

ウォッシャー液はウォッシャータンクに蓄えられていて、小型のモータの力でボンネット付近のウォッシャーノズルに送られ、ウインドウに向けて噴射される。

使用していないブレードゴムは常に同じ方向に曲がっているので曲がりグセが付く

ワイパーのブレードゴムは、太陽の光や温度変化、湿度変化などで経年劣化して硬化していく。また、ブレードゴムはワーパーアームのスプリングの力が常にかかっているので、曲がりグセが付きやすい。硬化して弾力が無くなったり曲がりグセが付くようになると、ふきムラや拭き残しができるようになる。

ワイパーとウォッシャーの点検は、正常に動作するかどうかを確認するだけでいい。もちろんリヤワイパーも同様である。ウインドウが乾燥した状態でワイパーを動かすとガラスが傷んでしまうので、ウォッシャーを併用してチェックする。ウォッシャー液でウインドウやボディが汚れるので、洗車の前に行うのがベストである。

  • ワイパーブレードの寿命

ブレードゴムのジッ妙はクルマの使い方や走行環境で異なるが、だいたい2年程度である。駐車場所に屋根がなかったり、日中の走行が多いクルマの場合は1年くらいで交換してもいい。ひび割れや切れている場合はもちろん即交換である。



ワイパーとウォッシャーの動作と状態を確認する

ウォッシャー液を噴射してみて、従来と同じ位置に液が当たっているか、ワイパーの動きによって拭き取り範囲全体にウォッシャー液が広がるかを点検する。上手く広がらない場合はウォッシャーノズルかワイパーに問題がある。

ワイパーの拭き取り範囲全体に拭きムラや拭き残しがないかを確認する。ブレードゴムが劣化していたり、アームのスプリングが弱っていたりすると拭きムラや拭きの腰ができる。

ワイパースイッチのポジションを変えて、動作速度が変化する価格人。間隔が調整可能な間欠ワイパーの場合は、調節可能であるかも確認する。

ワイパーアームを持ち上げてみた時、スプリングに適切な弾力があるかどうかを確認する。

ワイパーブレードゴムを指先でなぞってみて、凹凸や損傷がないか、ゴムの弾力が十分かを確認する。汚れが付いていたらクリーニングしてからチェックする。

ブレードゴムは端の部分から損傷が始まることが多いので、両端を重点的に点検しておくといい。

ウォッシャー液を確認する

エンジンルームのウォッシャー液のタンクで液量を確認する。HighとLowのメモリがないことも多いので、液量がよく分からない場合にはキャップを開けて確認し、液が不足していたらウォッシャ液を補充しておく。濃縮タイプの場合には、原液に加えて水も入れる。ない場合には水でも構わない。

ウォッシャータンクが非常に低い位置やエンジンルーム外に備えられていて、液注入用のダクトやホースがエンジンルームの見やすい位置に伸ばされていることもある。こうした場合はキャップのマークを確認すればウォッシャー液を確認できる。また、タンク自体が見えない位置にある場合にはレベルゲージが備えられていることが多いので、ゲージの何処までが濡れているかで、液量を確認することができる。ゲージはキャップに取り付けられていたり、ダクト内に配置されていたりする。

 ウォッシャーノズルとホースを点検する

ウォッシャーノズルの噴射口を見て、汚れなどが詰まっていないかをチェックする。洗車の際のコーティング剤が詰まっていることもある。

従来はボンネット上にウォッシャーノズルが配されることが多かったが、ボンネット裏の前端などに隠されることが増えている。

ウォッシャーノズルとウォッシャーホースの接続部分が確認できるなら、確実にはまっているかを点検し、ウォッシャーホースが露出している部分があるなら、確実に固定されているか、接続部分が抜けそうにないかを確認する。これを怠ると、ホース類がエンジンルームに干渉してトラブルを起こす原因になるので注意が必要である。

  • ウォッシャーノズルの詰まりを取り除く

ウォッシャーノズルが汚れなどで詰まっていたら、細い針金を何度か出し入れすることで詰まりを取り除くことができる。専用のモノがなければ、荷札についている針金などでも十分である。このとき、太い針金を無理矢理入れないように注意する。

ウォッシャーノズルメンテナンス用の道具。細い針金はクリーニングに、太い針金は噴射方向の調整に使用するようになっている。



ワイパーブレードゴムの交換

旧くなったワーパーのブレードゴムを交換する方法には、ブレード全体を交換する方法と、ブレードゴムだけを交換する方法がある。ブレード全体の交換は非常に簡単であるが、ゴムだけと比べるとパーツの価格が高くなる。ブレードゴムだけの交換は少し難しいかもしれないが、それほど困難な作業ではない。はじめての人でも問題無くチャレンジできる。

ブレードやワイパーゴムは車種や年式により長さや幅、形状が異なり、左右で長さが異なることもあるので、購入時には車種別対応表で必ず確認すること。

ワイパーブレードの取り外し

ほとんどの車種がU字フックタイプを採用しているので、ブレード側のロックを解除すれば、簡単に取り外すことができる。

ワイパーアームとワイパーブレードの接続部分にある爪を起こすようにすると、ホルダーのロックが解除される。U字が収まっている部分をホルダーという。

ロックが解除されたら、一旦ブレードをアームの根元側に押し、U字部分からブレードのホルダーが外れるようにする。ホルダーが外れたら、今度はU字部分がホルダーにはまらない位置にブレードをずらし、アームの先端側にブレードを移動させて取り外す。

ワイパーブレードの取り付け

新しいワイパーブレードのホルダーの脇の部分にワイパーアームのU字部分を入れる。ホルダーの位置によっては入れにくいこともあるので、必要に応じてホルダーの位置を変えるようにする。

ワイパーアーム先端のU字部分がブレードを通過したら、位置をずらしてホルダーをU字部分に収めていく。ホルダーが完全に収まると、カチッと言う感じでロックされる。このときぎぅあくほうこうにアームを移動させようとしても動かなければいい。

U字ホルダーの根元の小さな爪でロックされている場合

ブレードのホルダーに備えられたロック機構の爪が非常に小さい場合。この爪をいずれかの方向に押せば、ロックが解除される。

爪を押したまま、ブレードをアーム側に移動させて、ホルダーをアームのU字部分から抜き出す。U字部分からホルダーが完全に外れたら、アームの位置を横にずらし、今度はブレードをアーム部分から抜いていく。

ブレードゴムを取り外す

ワイパーのブレードゴムは、端にあるストッパーの手前にあるへこみにブレードの爪が収まることで固定されている。交換時に面倒なのは、このへこみから爪を外したり爪を納めたりすることである。また、ブレードゴムには両脇にレールと呼ばれる金属製の細長い板がはめられている。このレールによってガラス面への密着を高めているのだが、このレールはゴムの溝にはめられているだけなので、不用意に扱うと外れてしまい、戻すのが面倒である。新しいブレードゴムを装着するときは注意して扱う。

なお、交換はブレードを外してから行うのが原則である。

ブレードゴムの溝の中にある山のように膨らんだ部分を細いマイナスドライバーで押しながらブレードゴムをストッパーのある側に引っ張って、ブレードの爪を溝の中のへこみから取り外す。

爪がへこみから外れれば後はブレードゴムを横にずらしていけばブレードから取り外すことができる。

ブレードゴムを取り付ける

ストッパーのない側からブレードゴムを爪の間に通していく。

ブレードゴムを少しづつ送っていき、ブレードの爪の部分を順番に通していく。レールがゴムから外れないように注意する。

ブレードの最後の詰めをストッパー手前のへこみに納める。ブレードゴムを強く引っ張るだけで収まることもあるが、上手く収まらない場合には山になっている部分を細いマイナスドライバーなどで押すといい。

すべてのブレードの爪をブレードゴムが通っているかどうかを確認。ブレードをワイパーアームに装着すれば交換は完了である。





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