ホンダ・フィットドアミラー修理

フィットドアミラー修理

10年落ちで20万キロ以上走行したのホンダ・フィット(GE6)の左側の電動格納式ドアミラーが、運転席内のスイッチを押しても格納できず、モーターの音とガチンガチンとギヤが回る異音だけがするようになった。
これらの症状から故障の原因は、電動格納式ドアミラーユニット内のギヤボックスに不具合があり、ミラーを格納することができないのだろうと予測した。ネット検索すると、やはり同じ型式の車に同様の症状が見られ、修理記録の記事が多数見られる。
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目次

車両スペック

  • ホンダ・フィット
  • 年式:平成21年12月
  • 型式:DBA-GE6
  • エンジン型式:L13A
  • 走行距離:230.000km

交換部品について

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交換部品は、ドアミラーユニットAssyの新品とか中古を手配してそのまま交換する方法が最もラクではある。だけど、それは費用がかかるし、中古品は動作保証がないものが多い。なので、今回はドアミラーユニット内に組み込まれているターンセットというドアミラーユニットを動かすモーターとギヤボックス、プレートが一体になったパーツ(アクチュエータ)を交換することにした。
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参考までに、このパーツの純正番号は
左側:76254-TF0-E31
右側:76204-TF0-E31
モノタロウで手に入ります。
取り敢えず注文の前に適合確認をした方がいいです。

ドアミラーの取り外し

左側ドアパネルを取り外すには、2カ所のネジを取り外せば、後はクリップで留められているだけなので、内張剥がしなどの工具で、傷つけないように外側から工具を入れてこじりながら外します。
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インナーハンドル取り付けねじ

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パワーウインドウスイッチユニットを取り外す

ドアの内張を取り外したら、ドアミラーユニットに取り付けられている配線カプラを外したあと配線を引き抜き、ドアミラーを直接取り付けている3つのナットと1つのビスを取り外して、ドアミラーユニットを取り外します。
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ドアミラーユニットから出ている配線カプラを外す。

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配線をドア側に止めているクリップを外す。(写真下側)

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3つのナットとビス(プラスねじ)

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ドアミラーユニット取り外し後

ターンセット交換

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内張剥がし専用工具などでドアミラーユニットの下側の隙間から白いプレート(写真中央)とミラーをつなぐ爪2カ所をこじってミラーを取り外します。

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ドアミラーユニットの土台を写真の3つのビスを緩めて取り外し、その土台に通してある配線を、上側の防水カバーを外して引き抜きます。組み立てるときは、配線ハーネスをこの土台に通すことを忘れないようにして下さい。

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ターンユニットに取り付けられている、ミラー角度調整用の白いプレード型のユニットとカプラを4カ所のネジを緩めて外し、写真奥に確認できるウインカーランプユニットに接続されている2極カプラを取り外します。

 

これで、ターンユニットと配線を一式取り出すことができます。以降の作業は下記の通りになります。
  1. 配線カプラから、配線を全て抜き取り、黒いビニール製の配線被覆からも抜き取る。
  2. 新しいターンユニットと配線とを入れ替えて、さらにウインカーランプユニットの配線、ミラー角度調整用の配線をターンユニットを貫通する穴に通し、配線被覆のチューブに通す。
  3. 新しいターンユニットを下写真の土台に通して、写真のようにゴムカバーを取り付け、3つのビスを締め込む。
  4. ターンユニットとミラー角度調整用の白いプレートを取り付ける。(このとき配線カプラの付け忘れに注意する)
  5. カプラに配線を1本ずつ元通りに取り付ける。(間違えないように、最初に写真を撮っておくと良い。)
  6. きちんとできたかどうか確認して、できていたら大きな声で「できました!!」と独り言を言うか、SNSで自慢しましょう。
原則として、取り外した手順の逆を行えばいいので、自信が無ければ最初に手順ごとに写真撮影して記録しておくことをおすすめします。
カプラから配線を抜き取る方法
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カプラの裏側写真

ターンユニットと配線を取り出したら、カプラの配線を裏側から1本ずつ取り外さないといけません。新しいターンセットには2本の配線が付いていますが、これをカプラに差し替える必要があるからです。
このカプラには配線抜け防止のためのロックが2カ所かかっているので取り外します。指の力でもイケますが、小さなマイナスドライバを使うのが無難だと思います。
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指でも外せます。

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表と裏があります。

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カプラの配線抜け落ち防止ロック

このカプラの裏側の写真は必ず撮影して記録しておいて下さい。配線を差し替えるときに必要になります。この写真を参考にしても良いのですが、同じ車でもグレードによって、配線の色や本数が変わってくることがあるので注意が必要です。
ロックを外したら、カプラの表側から配線抜き取り専用工具(洋裁専用のまち針などでも良いと思う。たぶん、刺さったら痛い…。)をそれぞれの端子の口に差し込んだ状態で配線を裏側から引き抜くのですが、コツがいるのと、差し込んだ工具が適切でないとなかなか抜けてくれません…。
どうしても抜けない場合には、カプラ本体を壊してしまったほうがいいと思います。何故なら新品のターンセットには、カプラのみが付いているので、それを使えばいいだけなので。
壊し方は人それぞれですが、僕の場合は、大小のマイナスドライバとニッパーを駆使して、端子と配線を1本ずつカプラを剥いてちぎるように外していきました。結局、配線と端子の根元を2本ほど切断してしまいましたが、ハンダ付けで修正しました。
配線は細く端子も小さいのでハンダ付けは難しかったです。取り敢えずうまくできたので、カプラにセットしようとすると、サイズがきつくて入らなかったり、入ってもロックされなかったりしたので、その都度、盛り付けたハンダを小さなマイナスドライバーで削ったりして合わせました。今回のドアミラーユニット交換では最も難易度の高い作業なのではないでしょうか。

ターンセットを交換しないで修理する方法

ドアミラーユニットのモーターに異常が無いなら、ターンセットを交換しないで中のギヤボックスを点検して、不具合のあるギヤを交換する方法があります。このフィットの場合は大抵同じギヤが壊れるようで、ネット検索をすると、このギヤだけが販売されているようです。
ギヤだけを交換するなら、修理費用を安く抑えることができますが、部品のギヤが正規品ではないようなので、自己責任で修理を行って下さい。
以下は、「ターンセットのギヤボックス分解してみた」写真集です。
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上蓋を外します。手で外すには根性が必要です。

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配線類を交わして基板を外します。手で簡単に取り外せます。別に根性は要らないです。

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ネジを2カ所緩めます。

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モーターをつまんで引き上げます。

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ギヤボックス内部を点検します。

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モーターに直結しているギヤからたどると2つのギヤが噛んでいるのがわかります。

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悪くなっているところがわからないので少し分解してみる。

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原因がわかりました。

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犯人はこのギヤです。やはり割れている…。

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中央のギヤが割れているので、手前のウォームギヤを回せなくなっていたようですね。

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悪くなったギヤを交換したら元通りに戻していきます。

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基板を取り付けるときは、モーターとの端子を確実に取り付けましょう。

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最後にフタをして完成です。実際にギヤのみの交換作業をするときは、配線の取り回しなどがあるので、少しやりにくいかもしれません。

修理完了

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しまなみ海道

以上、ホンダ・フィットの電動格納式ドアミラーユニットの修理方法でした。ドアミラーは割れていたり、調整できなかったりすると車検に通らないことがありますが、電動格納できないからといって、車検をパスできないということは別に無いようです。しかし、狭い駐車場に停車するときや、狭い道路で対向車とすれ違うとき、意味も無く動かしてかっこつけたい時などにその威力を十分に振り回すことができるようです。
故障の目安としては、運転席内にある電動格納式ドアミラーのスイッチをON/OFFにしたときに、左右のドアミラーの動きの速度に差が生じていたら、動きが遅い方が故障しかけている可能性があるので、動かなくなる前に点検に持って行くのがいいです。それから、運転席に座ったときのドアミラーの角度調整も適切な位置に調整しておいた方が良いです。
今回は、少し遠出する予定があったので修理に踏み切りました。ドアミラーは法律的にも重要な保安部品のひとつです。安全運転のためにも日頃から不具合がないかどうか点検しておくことをおすすめします。
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瀬戸大橋

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