ホンダ・バモス オーバーヒート修理 その1

運転席中央下側から「水が流れる音」

 

平成17年式のホンダバモスですが、走行距離10万キロ超えたあたりから、運転席中央のヒータコア付近から水の流れる音がするのと、なんとなくエンジンの出力が落ちた感じで、ラジエータのサブタンクを点検すると気泡が出ていて燃焼ガス臭い。これはおそらくシリンダヘッドガスケットが抜けて、燃焼ガスがウォーターライン内に入り込みオーバーヒートしかかっているというこのクルマ特有の症状であると判断して、修理に取りかかることにしました。

この症状は古い年式のバモスやアクティ、ホビオなどにはもはや通例の症状のようで、人気なクルマがゆえ、このクルマのオーバーヒートの修理を行った事例は多いようです。今回は自宅にて修理を実施しました。修理のプロセスを備忘録としておきたいと思います。

「水が流れる音」がしたら、早めの修理依頼を

どうやら運転席側でこの「水が流れる音」がしたら、確実にオーバーヒートするようで、しかも原因がシリンダヘッドガスケットが抜けているのならば、その修理費用は部品代だけでも5万円近くします。作業工賃はまちまちですが、エンジン本体を分解しての作業になるので、安く見積もっても総額10万円以上くらいはかかるのではないでしょうか。放置しておいて、運転席メータの水温計インジケータの赤ランプが点滅しても完全に治る可能性は低いかもしれません。この「水が流れる音」は例えば、朝一番にエンジンを始動したときなどに頻繁に起こるようで、エンジンが暖まると消えてしまいます。また、クルマが妙にガソリンくさくなるとか、急な坂道を登りにくくなるとか、微妙な症状を呈します。なので、完全にオーバーヒートする前に修理を依頼した方が良いかと思います。

修理の過程と必要な交換部品リスト

今回のオーバーヒート修理ではシリンダーヘッドガスケットの交換がメインとなるので、それに伴ってエンジン本体をオーバーホールしなければなりません。このクルマのエンジンはリヤエンジンで横置きなので大まかな流れとしては以下のような順序で修理を行っていきます。

  1. エキゾーストマニホールド・排気系の分解
  2. インレットマニホールド・吸気系の分解
  3. 燃料系統(インジェクター)
  4. 電気系統(IGコイル・スパークプラグ)の分解
  5. タイミングベルト・ウォーターポンプの分解
  6. タペットカバー類の分解
  7. シリンダヘッドを外す
  8. シリンダーヘッドガスケットの交換
  9. 1〜7を逆順序で組み付けていく
  10. 冷却水のエア抜き

せっかくシリンダヘッドを外すのでシリンダヘッド本体のオーバーホールも行っています。バルブステムシール交換とバルブクリアランス調整。それからバルブのすりあわせなど普段はあまりやらなこともやりました。



交換部品リスト
  1. インレットマニホールド・ガスケット
  2. エキゾーストマニホールド・ガスケット
  3. タイミングベルト関係
    • タイミングベルト
    • ウォーターポンプ
    • テンショナー・アイドラー
    • フロントカムシャフトシール
    • フロントクランクシャフトシール
    • サーモスタット・パッキン
    • タイミングベルトカバー・パッキン
    • オルタネータベルト
    • エアコンベルト
  4. タペットカバー関係
    • タペットカバーパッキン
    • シールワッシャー
    • プラグホールシール
    • プラグホールシール(ロッカーアーム・シャフト側)
  5. エンジンオイル 10w-20
  6. LLC  2リットル
  7. シリンダーブロック・オイルオリフィス
  8. シリンダーヘッドガスケット

今回はほとんど全てメーカー純正部品を使用しました。部品にかかった費用は上記全てでおよそ4万円くらいでした。

修理に取りかかる

クルマをジャッキで上げる

タイヤに輪留めをし、ガレージジャッキでフロントからジャッキアップしてリジットラック(ウマ)を掛けます。

ジャッキアップの仕方

その後、エンジンオイルと冷却水(LLC)を抜きます。

インパクトレンチやエアーラチェットなどのエアー工具を使う場合にはコンプレッサーが必要になりますが、容量30リットルくらいで静音タイプ。追加でサブタンクがあれば十分でしょう。このコンプレッサーは非常に音が静で比較的軽量で持ち運びに便利なのでおすすめです。自宅ガレージや屋外での作業や出張修理などに重宝するのではないでしょうか。

 

工具類と作業スペースを十分にとって作業に取りかかります。

つづく。




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