平成5年式:マツダ・RX-7 基本整備データ(MT車)その2

国内唯一の市販車ロータリーエンジン搭載車

マツダ・RX-7は、654cc×2ローターの13Bエンジンを積むシーケンシャル・ロータリー・ターボ車である。今回のデータは平成5年式のタイプRでMT車(マニュアルシフト車)のものです。

全グレードともインタークーラー・ターボのため、エンジンルーム内はメカ類がぎっしりと詰まっており、整備しやすいとは言い難い。一つ一つの作業を行うため工具を使うスペースを確保するためには、周辺機器を取り外すなどの工夫が求められます。

目次

  1. ジャッキポイント
  2. ジャッキとリジットラックのポイント
  3. エンジンルーム内のメンテナンスポイント
  4. パワステ・エアクリーナー
  5. エアクリーナ・エレメント交換
  6. ファンベルト
  7. 電装系
  8. 点火プラグの点検・清掃
  9. バッテリー
  10. バルブ交換
  11. サスペンション
  12. ホイール・タイヤ

ジャッキポイント

ガレージジャッキを使う場合

フロントはクロスメンバ(フロント側)の中央部で、真ん中に穴の空いた小判上のプレスが3個並んで入る部分。リヤは鉄製のデフケース部分ですが、すぐ脇にあるエキゾーストパイプに注意してください。

フロント側

リヤ側

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  • ジャッキとリジットラックのポイント

    一般的な国産車と同じく、前後ともサイドシル部がポイントですが、ジャッキポイントの目印であるプレスマークが少し分かりづらいです。車載ジャッキはアルミ製です。

    フロント側

    リヤ側

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  • エンジンルーム内のメンテナンスポイント

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  • パワステ・エアクリーナー

    パワステ・フルード点検:フルードはATFを使用する

    パワーステアリングのリザーバ・タンクはパワステポンプ(オルタネーター横)の真上にあり、フルード量の点検は始動前の冷間時に、タンク脇のHi-LOWレベル内にあればよいです。交換は指定されていませんが、フルード液が黒く汚れていたら交換した方がいいです。

    交換は注入口から抜き取るなどの方法で行います。ちなみにオイルの全容量は0.96ℓです。

    ATFはできるだけメーカー純正のものを使って下さい。

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  • エアクリーナ・エレメント交換

    温式タイプ

    エアークリーナーの指定交換時期は、50,000kmごととなっています。交換するには、エアダクトや配管を外さなければならないので少々面倒です。

    湿式のエレメントを採用しているので、エアで吹いての清掃はしてはなりません。

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  • ファンベルト

    ベルトのたわみ量点検:使用するベルトは2本

    ファンベルトはVリブドベルトが2本使われている。張り状態の点検方法は、図の矢印部分を10kgで押したときのたわみ量を見る。新品ベルトの場合は、初期伸びを計算して強めに張るとよいです。たわみ量は表の数値を参考にして下さい。

    ベルトに交換時期の指定はありませんが、ベルト表面や裏のリブ(リブ山)に亀裂などが入っている場合は、交換した方がよいです。

    オルタネータ・エアポンプ用ベルト
    調整はオルタネータ部で行い、まずAの固定ボルトとBのナットを緩め、その後C母ボルトを回して規定の張り具合になるまで調整したら、A・Bを締め付けて完了する。

    アイドルプーリーで調整を行います。プーリー中央のナットAを緩め、Bのアジャストボルトで規定の張り具合にしたら、Aを締め付けて完了します。

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  • 電装系

    点火プラグの取り外し:2種類のロータリー専用プラグを使用

    点火プラグは1ロータに、T(トレーディング)とL(リーディング)の2本のプラグを使用する。取り外しはエンジンオイルのレベルゲージの隙間に手を入れて行いますが、どうしてもな時は写真のファンネル(銀色)を外して作業することになります。

    取り外しの時プラグキャップの位置が近いので、間違えないように注意が必要です。

    また、通常は車載のプラグレンチを使って外しますが、ない場合には21mmのプラグレンチ(ロングソケット)でもOKです。

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  • 点火プラグの点検・清掃

    ギャップ調整は行わない

    プラグは外側電極が突出していないロータリー専用タイプです。清掃はキャブクリーナーなどを吹き付けて行います。

    ギャップの点検は、中心電極と外側電極の隙間で測ります。規定値は1.1〜1.7mmで使用限度は1.8mmです。

    新車状態で装着される標準タイプは、中心電極に白金を使用しているため、ギャップ調整は行ってはならない。


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  • バッテリー

    基本は液面管理

    バッテリーは、標準仕様が55D23Lで、MTの寒冷地仕様は65D23L、ATの寒冷地仕様は75D26Lが装着されている。電解液の補充は、車体から外して液がこぼれない程度に傾け、内部の気泡を出してから、アッパーレベルにまで補充液を入れます。

    バッテリーの状態の基準としては、12.4V以上で比重1.27〜1.29(外気温20度)であればよいでしょう。

    電圧・比重標準値

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  • バルブ交換

    ヘッドライトバルブ交換は少々やっかい

    リトラクタブル・ヘッドランプのため、バルブ交換は少々面倒。まず、ライトを倒したままでリッド(外装部分)を留めているネジを緩めます。

    次にライトを上げて、ベゼル(レンズ周りのリム)を外し、リッドのネジを緩めればリッドが外れ、バルブ交換が行える。交換後はリッドの立て付け調整が必要となります。

     

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  • サスペンション

    アライメント:正確な調整はアライメント・テスターで

    サスペンションは、4輪ダブルウイッシュボーンで、アライメントは、トー、キャスター(フロントのみ)キャンバーの調整が行うことができます。

    キャスター及びキャンバーは、ロア・アームの付け根にある変心カムにて行う。アライメント調整は基本的にアライメントテスターがあるショップ等でないと、正確な測定や調整はできないが、参考までにフロントとリアの基準値を以下に示します。

    • フロントのアライメント

    • リヤのアライメント

     

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  • ホイール・タイヤ

     

    空気圧の管理がポイント

    ホイールは、リム部分のキズと、縦・横の振れ幅をチェックする。タイヤ点検は、空気圧と溝の深さ、亀裂などをチェックします。一般的にタイヤの溝の深さは残量1.6mmで交換です。

    忘れがちなのが応急等タイヤの空気圧です。4.2kg/cm2と高圧なので、たまにはチェックしておいた方がいいです。参考までにサンプル車のホイール/タイヤサイズを表に示しておきます。

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